「思い出の街、東戸塚で暮らしたい。」その想いを叶えるために選んだリノベーションという方法。特徴的な間取りを活かしデザインした北欧の薫りが漂うOさんのお宅。ココロとカラダが休まるくつろぎの空間が完成しました。
2人で暮らした思い出の街
神奈川県横浜市東戸塚。海から心地よい風が吹いてくる場所にO夫妻のお宅があります。ここに住むのは会社員のご主人と奥様、そして2歳になるお子様の3人です。O夫妻は2年前お子様が生まれたのをきっかけに家探しを始めました。希望の広さはお子様が成長するにつれ50㎡の部屋が手狭に感じていた為、それよりも広い80㎡ぐらい。それと合わせてO夫妻がどうしても譲れなかった条件は、東戸塚にある物件だということでした。東戸塚はお二人が5年間一緒に暮らした思い出の街。また両親の家からも近く、住み慣れていたのでどうしてもここに留まりたいという強い思いがありました。そんなお二人はまず新築物件を見学しに行ったのだそう。何件か見て回りましたが、東戸塚では希望の予算内で納得できる新築はなかなか見つかりませんでした。そんな時奥様が思い出したのが、4年前に中古の家を買ってリノベーションした友人の事。奥様はFacebook上で友人がアップしたリノベーション中の写真やその後の暮らしを時々見ていました。”中古を買ってリノベーションするのも1つの手かもしれない”とその時ふと思ったと言います。それからO夫妻はリノベーション会社をネットで検索。何社か気になる会社を自分達でピックアップし、リノベをした友人からはnuリノベーションを紹介してもらいました。結局3社程無料の相談会に参加し、リノベーションや物件のことについて情報を得たO夫妻。どの会社も魅力的ではありましたが、nuならデザインミーティングの回数が無制限なので納得いくまで打ち合わせができること、そしてなによりも仲の良い友人がnuでリノベーションし、幸せに暮らしているということに安心感を感じ、nuでリノベーションすることを決めました。その後は当初からの条件であった東戸塚にある約80㎡の物件ということを軸に物件探しを進めていったお二人。2ヶ月たった頃、少し予算より高い駅近の物件と今住んでいる物件の2つでとても迷ったと言います。しかし今住んでいる物件は築年数が30年近く経っているにも関わらず、外観がとても綺麗だったこと、また広々とした共有スペースはしっかりと管理が行き届いていた事が気に入り、最終的に条件にも当てはまる東戸塚の築28年、79.53㎡の物件を購入しました。
ココロとカラダにやすらぎを
以前から北欧雑貨が好きだった奥様。marimekko、iittara、ARABIAなどモダンでビビットなカラーの食器やインテリアを沢山お持ちでした。そんな奥様が憧れたのはフィンランドで撮影された映画「かもめ食堂」に出てくるカフェテリアのような空間。白をベースにし、ブルーグレーでアクセントをつけたそのカフェテリアは、木を腰壁にあしらったオープンなキッチンで主人公が料理を作っているシーンが有名です。一方でご主人からは生活にメリハリを付ける為に、休むスペースと活動スペースを分けて設けたいという要望がありました。そんなお二人は最初のデザインミーティングに手書きの間取りを持参しデザイナーに想いを伝えたと言います。その想いを叶える為デザイナーが提案したのは「easy&cozy」というコンセプト。「優しい」という意味のeasy、そして「くつろぐ」という意味のcozyを合わせ持った空間です。玄関を入って両サイドに部屋が広がるという特徴的な間取りを活かし、入って左側には寝室を設け休むスペースに。そして右側にはLDKを設け、家族の活動スペースにします。あえて寝室だけ活動スペースから離したのは、ゆったりとくつろげる空間を確保する為です。ライフスタイルにメリハリをつけることで、お二人がリラックスしてくつろげる、心にも体にも優しいお部屋をイメージしました。そして完成したのはブルーグレーのアクセント壁が印象的な2LDK+WIC。ネイビーで塗装した扉を開くと市松張りにした無垢オークフローリングが広がります。中でも目に入るのはハーベストパネルで囲ったキッチン。「雑誌でこのハーベストパネルを使ったキッチンを見て一目惚れしたんですよね。アパレルショップでもよく使われていて、デザイナーの方に是非使ってみたい!とお願いしました。」と奥様。キッチンの壁は「かもめ食堂」で使われていたブルーグレーのアクセント壁を参考にし、飾り棚をプラスしました。marimekkoのキャンバスやカラフルな食器がより際立って見えます。そしてキッチンの対面にある2つの入り口を設けたWICスペースは、朝の準備がスムーズにできるようにと回遊性をもたせました。アーチをつけた入り口からはやさしい印象が感じられます。「忙しい朝でも、2人一緒に使えるのでとても助かっています。私たちもお気に入りのスペースなんですけど、一番喜んでいるのは実は娘なんですよね。ぐるぐる走り回ってサーキットにしています(笑)。」と奥様。2歳になる娘さんはとても活発な年頃。取材中も家を走り回ったり、スタッフと一緒に遊んだりと、元気いっぱいです。以前から、それを見越していた奥様はデザイナーに対して“キッズスペースの床は、汚れが落ちやすいものにしたい。でもLDの一角にあり目につく場所なのでカッコイイものが良い!」と伝えていました。そんなO夫妻にデザイナーが提案したのは耐水性もあり、お掃除が簡単なグレーの塩ビタイル床。娘さんは存分にお絵描きや粘土遊びを楽しめるので、奥様だけでなく娘さんにとっても嬉しいデザインです。一方ご主人のお気に入りは、活動スペースと休むスペースを繋ぐ飛び石と、そこから続く寝室の造作格子扉。設計当初、木で廊下をつくりたいと考えていたお二人。しかし廊下にすると玄関がとても狭くなってしまうという問題がでてきました。そんな時デザイナーが提案したのが飛び石をつくるというアイディア。”洋風の空間に飛び石?” と最初はイメージが湧かなかったそうですが、3Dパースで見た木の飛び石が気に入り、思いきって取り入れてみることにしました。娘さんはこの飛び石がお気に入りだそうでいつも嬉しそうにピョン、ピョンと渡っていくのだとか。「洋風な家に格子と飛び石って以外な組み合わせですが、格子の木と木の間から漏れる光が綺麗で、また飛び石も木で合わせることで空間に統一感が生まれるんですよね。」とご主人。両サイドに空間が広がる間取りを活かしたOさんのお宅。ココロとカラダ、その両方にやすらぎを与える工夫がお部屋の随所から感じられました。
一緒に育むよろこび
住み慣れた東戸塚で家を買いリノベーションしたO夫妻。仕事も場所も以前と変化はありません。唯一変わったのは、リノベーション後ご主人が時々花を買ってくるようになったこと。ご主人に理由を伺ってみると「前の家に住んでいたときは花なんて買いませんでした。でも今の家だとゆっくりくつろげるので、心にゆとりができるんですよね。みんな喜ぶし花でも買っていこうかなって。」とにっこり。その話に加わるように「私も彼もそうですが、心にゆとりが出来た分家の事を考える時間が多くなったんですよね。部屋に置くインテリアは置いてかわいいもの、長く使えるものを時間をかけて選ぶようになりました。」と奥様。そんなお二人に幸せを感じるのはどんな時ですか?と聞いてみると「キッズスペースで子供と一緒に遊んでいる時が一番幸せですね!娘はまだ小さいですが大きくなったら子供部屋をつくって、私たち好みに家を育てていくのもいいかな…。」とお二人。
みんなに優しいくつろぎの家はこれからお子様と一緒にすくすくと、さらにOさん達好みに育っていくことでしょう。