素材の持ち味を活かしたプレーンをベースに、ハードさをミックスした2LDK+WICプラン。
ライフステージの変化を機にリノベーションに踏み切った3人家族の物語りです。
ライフステージの変化を機に
子育てのしやすい街ランキング常連の江東区。落ち着いた雰囲気の最寄駅からすぐのマンションに暮らすK一家はご主人と奥様、今年で4歳になる娘さんの3人家族です。『娘が保育園に入園する頃までに家を買って、1つの場所にとどまりたい』という想いをきっかけに、昨年夏頃から住宅購入に向けて動き出しました。アパレル関係に勤めるご主人と元インテリアショップ店員の奥様は、お2人とも空間に対してのこだわりが強く、家を買うならリノベーション!と初めから決めていたのだと言います。それから本格的にリノベ会社について情報収集を始め、インスタグラムで「#リノベーション」と調べてたどり着いたのが、nuリノベーション(以下nu)のアカウント。豊富な施工事例に魅力を感じて、実際に個別セミナーに参加してみることにしたK夫妻。サービス内容や対応してくれた仲介アドバイザーの落ち着いた雰囲気に好印象を持ち、「担当者との相性を大切にしたい!」とnuに依頼することを決めます。
それからご主人の職場がある渋谷に出来るだけ近く、かつ、奥様のご実家がある千葉県にもアクセスしやすいエリアという条件にヒットした江東区で物件探しを開始。購入したのは、2件目に内見した南砂町のマンションでした。「大きな買い物だからこそ、直感で良い!と思えたものを大切にしたかったんです。決め手は色々ありますが駅まで徒歩4分という好立地と、この大きな窓ですね。通風や採光は存分に確保できますし、前の建物が低いので視界が抜けてとても清々しいです」とK夫妻。マンションのすぐ側には野球場を併設した公園が広がり、取材に伺った昼下がりには元気な子供たちの声で賑わっていました。
自然に、激しく、そしてこだわる
「長く住む家だからこそ、流行りのテイストをただ取り入れるのではなく『飽きがこないデザイン』にしたかったんです。シンプルさを念頭に置きつつも、ありきたりな感じにならないよう自分たちの好きを上手く組合せて空間に反映できたら良いなぁと考えていました」とK夫妻。インスタグラムで好みのデザインイメージを収集しながら、ナチュラルさとハードさがバランス良く混在した空間を設計デザイナーにリクエストします。そんなお2人のオーダーに対し、デザイナーは『fleek』というコンセプトを提案。シンプルさの中に夫妻の好みを落とし込み、素材の肌理が活かされたフリークな空間をイメージしてデザインしていきました。
こうして出来上がった2LDK+WICのプランは、一歩足を踏み入れるとバルコニー側まで一気に視線が抜けます。廊下に面した子供部屋や洗面室のドアノブは「昔のアパートっぽいかんじが良くて」と、既製のドアにパーツ屋さんで選んだ丸型のドアノブをカスタム。そして廊下を進んだ先には、開口部からたっぷりと光が注ぐリビングが広がります。踏み心地の良い無垢オークフローリングと柔らかい白色の壁に、荒削りな美しさが残るコンクリート現しの天井を組み合わせ、ナチュラル×ハードを表現。L字の白壁で緩やかに仕切られた向こう側には、寝室を配置しました。当初は通風を考慮して内窓を検討していたそうですが、予算との折合いがつかず悩んでいた所、設計デザイナーから「天井まで壁を設けるのを、やめてみるのはどうですか?」と提案があったのだとか。こうすることで通風が確保できる上に、高さ約1.7mの壁は圧迫感を軽減し、実際の面積以上に広がりを感じさせます。
キッチンは限られた空間を有効的に使うため、壁付けで配置。ステンレスフレームキッチンを採用し、無機質な雰囲気を醸し出しています。「片付けをするのが苦手なので、キッチン下部はあえてオープンな収納にしたかったんです。隠れていると、どうしてもサボりがちになるので(笑)」と、はにかむ奥様。収納扉がない分スッキリしていて、まるで家具のように空間に溶け込んでいます。そして、キッチン右隣のパントリーには冷蔵庫、シェルフ、洗濯機が置かれています。洗面室に生活感が溢れ出ないようにするため、初めからパントリーに洗濯機を置く想定でプランニング。そのおかげでバルコニーまでの距離も近くなり、洗濯物を干すのも楽なんだとか。さらに使い勝手だけでなくビジュアルにもこだわっていて、パントリー入口をアーチ状にすることは夫妻の絶対条件でした。これは新木場にあるインテリアショップ『CASICA』の内装を参考にしていて、「完全なRじゃなくて、頂点が鈍角になっているのが分かりますか?デザイナーさんと話し合いながら、微調整を繰り返してこの形が実現しました。家の中で一番こだわったポイントです!」とご主人。引っ越し後にDIYで塗ったという深い色合いのチャコールグレーの壁が、空間にそっと馴染みながらもアクセントに一役買っています。
一見プレーンな空間だけど、ディテールやパーツに至るまで、お2人の「+α」のこだわりが散りばめられています。
暮らすことで、見えてくるもの
「初めての住宅購入だったので、ワクワクとドキドキが入り混じった気持ちでしたが、イメージしていた以上に素敵な空間に仕上がって、やっぱりリノベーションして良かったなって思いました。娘も今の家に引越してから、『おうち、かわい~!』となんだか嬉しそうにしています」とご主人。江東区というエリアを選んだのは、職場や奥様の実家へのアクセスの良さがきっかけではありますが、実際に暮らしてみると自転車で行ける範囲に娯楽施設や公園が沢山あることに気づいたのだとか。「遊具だけの小さな公園から、水遊びやアスレチックができる大きな公園まで色々あるんですよ。近所で遊びが完結するので、最近めっきり電車に乗らなくなりました(笑)」とにっこり笑う奥様。この家での暮らしと同じように、この街での暮らしも楽しんでいる様子が存分に伝わってきました。
素材の肌理が生きた空間に並ぶ、審美眼によって選ばれたインテリアやファブリック…。そこは洗練されたものだけが揃う『fleek』な空間へと仕上がっていました。