20代の頃から憧れてたYさんの夢。それは「30代で絶対にマイホームを買う!」ということ。そんなYさんがこだわりを詰め込んだ家を手に入れるために選んだ選択肢とは…?モルタル、木、コンクリート…味わい深い素材で囲まれた1LDKプランが完成するまでのリノベーションストーリーをご紹介します。
思い出の地で、再び
「昔から『30代でマイホームを買いたい!』という憧れがあったんです。リノベーションでその夢がようやく形になりました。」そう語るのは昨年6月、江東区の築31年のマンションをフルリノベーションした会社員のYさん。今年で33歳を迎えるYさんは、リノベ前も当時の職場が近かった同じ江東区に約10年間住んでいました。30代でマイホームを手に入れたいという明確な気持ちを強く持っていたのは、人一倍インテリアや空間にこだわりを持っていたからで、自分の好きなものだけで創り上げた家に住むことをずっと思い描いていたのだと言います。そんなYさんが本格的に家を購入することを考え始めたのは25歳を過ぎた頃で、きっかけはたまたまTVで見たリノベ会社の特集でした。「当時は今ほどリノベーションが浸透していなくて、家を買うなら新築か中古の2択だと考えていた中で“リノベーション”という選択肢を知りました。人が集まってワイワイできるような広いLDKが欲しいとか、質感が楽しめる素材を使いたいとか、こだわりたい要素が沢山があった私にとって、ライフスタイルに合わせて空間を自由にカスタムできるリノベーションはピッタリだって思ったんです。これはもうリノベしかない!と、どんどん気持ちが強くなりました。」と話す。リノベーションに惹かれていったYさんは、その後マイホーム購入のための資金を本格的に貯めるため、実家へお引っ越し。「船橋の実家へ戻った時、次に東京へ引っ越す時はマイホームを買う時だ!ってかなり意気込んでいました(笑)。」と当時を振り返る。そしてちょうど30歳を過ぎたタイミングで、兼ねてからリサーチをしていたリノベ会社の相談会に申し込んだりするなど、いよいよ会社の選定に向けて本格的に動き出します。そしてHPに掲載されていた施工事例に好みのテイストが多かったnuの相談会に参加。「nuさんの物件探しからワンストップでお願いできる所に安心感がありました。当時他にも気になっていたリノベ会社にも話を聞きに行く予定でいたのですが、他社を見に行く必要を感じさせないくらい営業の方のプレゼンテーションも魅力的で分かりやすく、結局他社へは行かずに一番初めに相談会に参加したnuさんに依頼することを決めたんです。」とYさん。それから物件探しを開始し、希望したエリアはもちろんYさんが慣れ親しんだ江東区。その中で55〜60㎡前後の物件を要望し、4件ほど内見し後に出会ったのが今の東大島のお住まい。「川沿いに建つこのマンションの部屋から見える景色に、何にも代え難い魅力を感じました。まさに一目惚れしたといっても過言ではないですね(笑)。平米数も丁度良く、大きな窓から光や風が行き届いてるかんじも気に入りました。」とにっこり。10年間という年月を過ごした思い出のある江東区で、約61㎡、築31年の物件を購入しました。
“好き”を散りばめて
大好きなスニーカーや趣味のアウトドアグッズを仕舞うことのできる土間、人が集う広いリビング、ホテルライクなバスルームなど、かれこれ4.5年前からリノベーションに憧れていたYさんには、空間に取り入れたい要素がたくさんありました。空間全体のテイストにも具体的なイメージがあり、少しハードで無骨な素材を用いた素材感が引き立つラフな空間を要望。そして、アクセントになるようブラックのカラーも取り入れたいということをデザイナーに伝え、イメージの共有をすすめていきます。そしてそんなYさんにデザイナーが提案したのは「roughly」というコンセプト。コンクリート、タイル、木、モルタル…など味わいのある素材で構成されたちょっぴり無骨で、ラフな空間をイメージしたご提案でした。そして週1のペースで来社し、約3ヶ月の打合せ期間を経て完成したのはオープンなLDKや随所に施したブラックが空間にメリハリを感じさせる1LDK。横幅約5mのモルタル土間は、靴や趣味のアウトドアグッズを仕舞うのに十分なスペースを確保。その隣りには土間から直接アクセスできる約2JのWICを配置しました。その先には約18JのLDKが部屋の端まで広がっています。LDの扉を取り払っている分、玄関に立つと部屋の奥まで視線が抜け清々しい。黒いタイルを敷いた床に設えたステンレスキッチンはYさんのお気に入りポイントの一つで、「通常のキッチンに比べて天板に奥行きがあるのはカウンターとしても使うことができるからなんです。既製のシステムキッチンなんですけど、スツールが置けるように腰壁のデザインが工夫されていて、友人が遊びに来た時にはよくそこに座ってもらうんですよ。料理中も会話を楽しめるので嬉しいですね。」とにっこり。空間にひらけたオープンなアイランド型キッチンは、人が集うLDKに憧れていたYさんの気持ちを物語っているように感じます。ダイニングキッチンから一段下がったリビングの床には無垢材を敷き、床のレベルや素材に変化を与えることで約18Jの開放的な空間にメリハリを持たせました。LDKの天井や壁はほとんどがコンクリート現しの状態で、「最初は全て白塗装で仕上げてもらうつもりだったんですが、解体してみたら状態がすごく綺麗だったので、物件そのものの素材を生かしたいなぁと思ったんです。」とYさん。LDKと寝室を緩やかに仕切るのは、ガラスと木で造作した4枚の2連引き戸。当初は重厚感のあるアイアンで造作した引き戸を希望していましたが、なかなか予算との折り合いがつかずにいたのだとか。そんな時、「木に黒塗装をすれば近い雰囲気を出せますし、コスト削減にもなりますよ」というデザイナーからの嬉しい提案に、即採用を決めたのだと言う。上半分がガラスになっているのは視線の抜けを確保するためで、「実はプランニング当初、ワンルームの間取りも検討していました。あまり壁で空間を仕切るということはしたくなくて、空間全体がひと続きになっているような開放感のある家にしたかったんです。」とYさん。そのこだわりは寝室の仕切り方だけに限らず、空間全体に一体感を感じられるよう寝室、納戸、洗面室の建具を梁の高さに合わせた約H2100で統一するなど工夫を凝らしています。DKの床に敷いたタイルと同じものを床に迎えた洗面室は、バスルームとトイレを集約させた海外のホテルのような仕様。ガラスで仕切られたバスルームは、nuの施工事例を参考にデザインを決めていったYさんのお気に入りポイントです。「以前江東区で住んでいた賃貸のお風呂は足を思いっきり伸ばす余裕がない大きさだったので、広いバスルームに憧れがありました。でもせっかくリノベーションをするなら広さだけじゃなくて、デザインにもこだわりたくて。床と壁には黒タイルを選んで、ホテルライクでスタイリッシュな雰囲気に仕上げてもらいました!」と満足気なYさん。仕事が忙しく、帰宅時間が遅くなった時でもゆっくりと湯煎に浸かり、癒しのバスルームでパワーチャージしているのだとか。コンクリート現しや木、モルタルなどで構成されたシンプルな空間が、それぞれの素材の持つ味わいを惹き立てているY邸。無骨でざっくりとした素材で構成された「roughly」な空間を、随所に施したアクセントブラックが引き締めています。
思い描いた集いの場
リノベーションをしてから、格段と来客が増えたというYさん。多い時は5.6人が一度にY邸に集まるそうですが、約18JのLDKなら全く窮屈さを感じずに寛ぐことができるのだとか。友人が遊びに来たらもっぱら料理を振る舞うのは栄養士の資格を持つYさんで、「結構料理を作るの大変なんですけどね!(笑)」と、言いながらも“人の集まるLDK”を叶えたYさんのその姿はなんだかとても嬉しそう。得意料理はなんですか?と尋ねると「アクアパッツァとかですかね…?」と、そのお洒落な回答に友人たちが頻繁に遊びに来るというのにもなんだか頷ける。年齢的にもちょうど家の購入を考えている友人が多く、Yさん宅に遊びに来たことをきっかけに、実際にリノベーションを検討している友人がいることも明かしてくれました。沢山のこだわりが散りばめられたY邸にいると、その空間に自分が合わせるのではなく、自分のライフスタイルに合わせて一から空間を創り上げることができるのがリノベーションの醍醐味だと改めて感じさせられました。慣れ親しんだ思い出の場所で手に入れた“好き”を詰め込んだマイホームで、新たな生活を切り開いていきます。