きっかけは、たまたま見学した戸建のモデルハウスだった!?無骨な素材と温かみのある素材を融合させた2LDKプランに住むご夫妻のリノベーションストーリーです。
きっかけは、たまたま
神奈川県横浜市。ここに住むK夫妻は、昨年10月に築32年のマンションをフルリノベーションしました。以前は綱島の45㎡ほどの賃貸に住んでいたお2人ですが、マイホーム購入のきっかけとなったのはたまたま訪れた新築戸建のモデルハウスだったと言います。「休日に買物にでかけたら近所にモデルハウスがあって。その当時はまだ家を買おうとかそういう具体的なことはあまり考えていなかったのですが、インテリアや空間づくりには興味があったので、時間が空いたタイミングでフラッと立ち寄ってみたんです。そのモデルハウスは注文住宅という事もあって結構オシャレなお家で。そういうデザインにこだわった空間を実際に見学したら、私たちもこんな風にこだわりを詰め込んだ家が欲しいよね!という話になって、そこから家づくりについて本格的に考えはじめました。」とお2人。始めはとことんデザインにこだわるために注文住宅の検討もしていましたが、中々予算との折り合いがつかなかったと言います。希望の予算内で、かつデザインにもこだわりたい。そんなK夫妻が選んだのは中古マンションを買ってリノベーションをするという答えでした。「最初のきっかけは戸建のモデルハウスでしたが、特別戸建にこだわっていたわけでななかったので、マンションという選択肢も考えていました。戸建かマンションかということより、自分たちの求める空間をデザインに制限なく表現できるか、それが重要でした。リノベーションなら自分達の手の届く範囲で、デザインに妥協することなく “住みたい家”が叶えられるのではないかと思ったんです。」とK夫妻。それからネットでリノベーション会社をリサーチし、その中でも自分たち好みのテイストの施工事例が多く掲載されていたnuの相談会に参加。高いデザイン力とアドバイザーの誠意のある対応が好印象だったことが決め手となり、nuに依頼することを決めたのだと言います。そして住み慣れた神奈川県内で 50~60㎡程度の広さを条件に、物件探しを開始。お互いの職場に1時間圏内で通えるエリアで JR・東急・京急の3沿線沿いに絞って物件探しを進めていきます。アドバイザーから紹介された3件を内見したのちにお2人が選んだのは、京急線沿いの花月園前駅からほど近い場所に建つマンション。「デザインには特にこだわりたかったので、紹介してもらった3件の中で最も構造的にリノベの自由度が高かったこの物件を選びました。 それに駅やマンション周辺の静かで落ち着いた雰囲気もとても気に入りました。」とご主人。築32年、約57㎡のマンションを購入し、いよいよリノベーションをスタートさせます。
57㎡に全ての想いを
デザイン打ち合わせが始まってからは、自分たちのやりたいことやデザインを明確にするためにネットでイメージに近い画像を探して、たくさんストックしていったというK夫妻。「古材」「無骨」「シンプル」「ヴィンテージ」…。お2人の好きなテイストは同じで、真新しいピカピカとした空間よりも、少し無骨で温かみや味わいのある空間を目指していたと言います。そんなK夫妻がイメージしたキーワードを元に、デザイナーがお2人に提案したのは『RUGGED(ラギッド)』というコンセプト。直訳すると「無骨」や「荒々しい」といった意味が含まれていますが、コンクリート現しやモールテックスなどハードな素材を随所に取り入れた無骨な空間に、クラフト感溢れる味わいを加えることで、ただのヴィンテージでなはい大人の遊びゴコロをくすぐる空間というイメージを持たせています。約2ヶ月の打ち合わせ期間を経て完成したのは、天井の木ルーバーが醸し出す暖かみと、コンクリート現しの梁のハードさがバランスよくミックスされた空間。中でも一際目を惹くのはセパレート型のキッチンです。以前の家のキッチンは調味料や洗った食器を置く場所が設けられないほど狭く、使い勝手が悪かったと言います。そのためキッチンの広さや収納スペースの確保など使いやすさを重視し、その結果出来上がったのが2方向からアクセスできる回遊性のあるセパレート型キッチンです。シンク側は一般的なシステムキッチンではなく、あえて業務用のキッチンを採用。壁にはアクセントになるよう深緑のタイルを貼りました。「元々ステンレスキッチンを希望していたんですが、なんとなく普通のシステムキッチンより業務用キッチンにした方が面白みがあるなと思ったんです。それに実は業務用なのでコスパも良くて。シンクがかなり深いので、洗い物をしていても水はねが気にならないのも嬉しいポイントです。」とにっこり笑うご主人。そしてコンロ側は天板をモールテックス、腰壁を木で造作しました。「天板の素材はコンクリートっぽい感じにしたいというイメージがあって、それをデザイナーの方に伝えたらモールテックスを提案してくれたんです。nuのモデルルームのキッチンにも同じ素材が使われいるとの事だったので、打ち合わせの時に見学してみたら自分のイメージとすごく近かったので、これにしよう!と決めました。」と、キッチンのデザインに満足気なご主人。「料理はほぼ毎日するので使いやすさは重視しました。こだわった分、以前と比べて格段と使いやすいです!収納も充実していて、コンロ下にもシンク下にも十分なスペースがあるので調味料やかさばりやすい調理器具、ゴミ箱もスッポリ仕舞えるんですよ。」と嬉しそうな奥様。リビングと隣接する寝室は、内窓のガラスを通じて視線の抜けを感じさせます。このL字型の内窓は奥様が絶対に取り入れたかった要望で、採光と通風を確保できるよう上部が開閉するようになっています。寝室はベッドが置けるだけのコンパクトな空間におさめたからこそ、開放感を演出できる内窓は必要不可欠なポイントです。そして寝室にはハンガーポールを設置し、お2人分の洋服を仕舞えるスペースを確保。寝室と同じ空間に設けることで、起床してからすぐに着替えることができる効率的な動線を実現しました。そして寝室の内窓と同じく空間のアクセントになっているのが天井に取り付けた木のルーバー。「LDの天井はシンプルな白塗装だったので、何かプラスαの要素が欲しかったんです。施す木の色や範囲はデザイナーの方と相談しながらパースを見せてもらったりして、バランスをみて決めました。」とご主人。コンクリート現しの梁とも調和し、遊び心を感じる象徴的なアクセントになっています。コンクリート現しやモールテックス、古材などが創り出す無骨な空気感の中に、暖かみのある木のルーバーや内窓が絶妙なバランスで馴染んでいるK邸。本来は全く違う効果をもたらす異素材が共鳴し合うこのオリジナル空間は、ただのヴィンテージではない、お2人だけの『ラギッドスタイル』に仕上がりました。
これが私たちの完成形
K邸にセンス良く並ぶのは、ご夫妻が選びぬいたインテリア。味わいのある素材で作られたCRASH GATEのダイニングテーブル、ソファ、シェードに錆加工がされたFISのペンダントライト…。お2人は家具も空間と同じように素材感を大切にしたものをセレクトしています。これらはnuのインテリアスタイリングサービス「decoる」で購入したもので、「『decoる』で提携してるインテリアショップのカタログを見ながら気になった商品には付箋をつけて、実際に2人で店舗に行って選びました。」と奥様。そのインテリアへのこだわりはLDKだけに限らず、洗面室のミラーにまでこだわっています。この存在感のあるミラーはDULTONで購入したもので、ミラーに合わせて洗面室のテイストを決めていったと言っても過言ではないのだとか。「洗面室には絶対にこのミラーを!って思っていたんです。LDK同様、洗面室も少しクールで無骨な感じがよかったので、天板をキッチンと同じモールテックスで造作してもらいました。」と奥様。味わいのある空気が漂うK邸の“ラギッドスタイル”は、リノベーションで創り上げたハコだけでなく、そのハコに彩りを与えるインテリアや小物にまでこだわっているからこそ成り立つ空間なのだと感じました。