RCとは
RCとは、鉄筋コンクリート造のことです。柱や梁など、建物の骨組み部分を型枠で形成し、その中に鉄筋を張り巡らせ、コンクリートを流し込んで固める工法です。鉄筋は引っ張る力に強いですが、熱に弱く、錆びやすい性質があります。一方、コンクリートは押しつける圧力と熱に強く、錆びることがありません。両者を組み合わせることで、建造物に必要とされる強度を出しています。
リノベーションのワンポイントアドバイス
[RCのリノベーションにおけるメリット]
住宅の構造上の種類として大きく分けると、木造とRC造に分けられます。木造と比較して、RC造には次のメリットがあります。
耐用年数が長い
税法上の耐用年数が定められており、建物の寿命そのものではありませんが、どれだけ長く使用できるかを相対比較する指標として用いることができます。耐用年数は木造の22年に対して、RC造では47年と、2倍以上長くなっています。
耐震性、耐火性、遮音性に優れている
揺れによる圧力が建物全体に分散されるため、優れた耐震性を持っています。使用する材料が不燃性のコンクリートであるため、耐火性があります。また、音が伝わりにくく、上下階の音漏れを防ぐ遮音性に優れています。
外観のデザインに自由度がある
RC造は木造よりも強度を確保しやすいため、変わった構造の骨組みでも強度を保つことができ、木造と比較して外観のデザインをより自由に行うことができます。
[RCのリノベーションにおける注意点]
RC造にする場合には、次の点に留意したほうがよいでしょう。
・建築費用が高い
・気密性が高いため結露ができやすい
・木造に比べて熱を伝えやすい
木造と比較して建築費用が高くなります。重量のある素材を使うため、しっかりとした地盤でない場合は、地盤改良が必要となり、その費用もかかります。気密性が高いために、結露ができやすく、カビの原因となることがあります。場合によっては何らかの換気装置が必要となるかもしれません。RCは木材と比較して約10倍、熱を伝えやすい性質があります。夏の暑さや冬の寒さが伝わりやすく、効果的な断熱対策が求められます。
まとめ
RC造には耐用年数が長く、耐震性や耐火性などに優れており、外観デザインの自由度が高いという特長があります。その一方、建築費用が高く、結露ができやすく、断熱対策が必要という面もあります。中古物件を購入してリノベーションすることを考えた場合、建築費用が高いという点はあまり影響しないかもしれません。RC造のメリットとデメリットを、よく検討したうえで判断するようにしましょう。