ホルムアルデヒドとは
ホルムアルデヒドとは、合成樹脂や塗料、接着剤などに使われている化学物質です。気化したホルムアルデヒドを長期間に渡って吸い込んだ場合、発がん性があると指摘されており、その使用には様々な規制があります。気化すると、目や鼻の粘膜を刺激し、のどが痛くなったり、頭痛がしたりするシックハウス症候群を引き起こす場合があるといわれています。
リノベーションのワンポイントアドバイス
[リノベーションとホルムアルデヒド]
ホルムアルデヒドは、常温で気化し、濃度が高いと刺激臭があります。建材の接着剤として用いられることがあり、その使用には制限がありますが、JISで製品ごとに使用量の制限の有無または上限が定められています。JISにより、合板やフローリング材、壁紙など、ホルムアルデヒドを含む建材には、それがどの程度のホルムアルデヒドを発散するかを、先頭が“F”で ☆マークを表示することが義務付けられています。住宅性能表示制度では、住宅で用いられているこうした建材について、最も発散量の多い建材のマークに応じて、ホルムアルデヒド発散等級は次の3つが定められています。
・等級1 F☆☆の建材を使用
・等級2 F☆☆☆☆の建材とF☆☆☆の建材を使用
・等級3 F☆☆☆☆の建材のみ使用
☆の数が多いほどホルムアルデヒドの発散量が少ない建材です。F☆☆☆☆の建材は使用量が制限されませんが、それ以外の建材は使用量が制限されます。
[ホルムアルデヒドの被害を防ぐには]
ホルムアルデヒドが大量に気化した環境で長期間過ごすと、シックハウス症候群の引き金になる可能性がありますので、リノベーションの際はシックハウス症候群を防ぐために次の点を考慮しましょう。
・ホルムアルデヒドを含まない建材のみを使用する
・ホルムアルデヒドを含む建材を用いる場合は発散等級が高くなる建材にする
・大規模なリノベーションでは完成後しばらく経ってから住む
・台所の換気扇などで空気の流れを作る
最もよいのは、ホルムアルデヒドを含まない建材だけを使用することです。ホルムアルデヒドを含まない接着剤で壁紙を貼るなども効果的となります。ホルムアルデヒドは、3カ月後には濃度が大幅に低下することが分かっています。刺激臭を感じるようでしたら、換気扇を廻し、入居までしばらく待ったほうがよいかもしれません。
まとめ
リノベーションでのホルムアルデヒドの使用について説明しました。リノベーションの際に内装を新しくしたり、フローリングを替えたりする場合は、一度設計デザイナーに確認することをお勧めします。ホルムアルデヒドの発散量が多い建材は、使用量が制限されています。そのため、必要以上にシックハウス症候群を恐れる必要はありません。ご心配でしたら、必要に応じてここで説明した対策を実施されることをお勧めします。