免震構造とは
地震の揺れで地盤が動いても建物にその動きを伝えにくい構造を免震構造といいます。建物は地盤に直には接しておらず、免震構造を介して接する形となります。免震構造の中核装置はアイソレータと呼ばれる装置で、住宅はアイソレータの上に乗る形となり、地盤が動いてアイソレータの下部が動いても、上部はあまり動かず、その上の住宅の揺れを軽減するようになっています。地震の揺れによる被害を軽減する方法には、免震のほかに制震、耐震があります。
リノベーションのワンポイントアドバイス
[免震構造のリノベーションにおけるメリット]
地震の揺れを伝えにくい免震構造を採用するメリットには、どのようなものがあるでしょうか。
・揺れを大幅に軽減できる
免震構造のメリットは、揺れを大幅に軽減できることにつきます。制震構造や耐震構造よりも、揺れを軽減する効果があります。特に震度5以上の大きな揺れで優れた効果を発揮します。住宅そのものがあまり揺れないので、住宅がそれほど傷みません。大きな揺れを大幅に軽減できることで、住宅の倒壊を防げることはもちろん、部屋の中のタンスが倒れたりなどして、ケガをするといったことも防ぐことが期待できます。かつては住宅で使える免震構造はありませんでしたが、近年になって住宅用の免震構造を扱うメーカーが現れてきています。
[免震構造のリノベーションにおける注意点]
大地震の揺れを大幅に軽減してくれる免震構造ですが、少なからず注意すべき点があります。
・高価である
・縦揺れには効果がない
・地下室は作れない
・軟弱な地盤は不適
・住宅が横揺れするスペースが必要
免震構造は制震構造や耐震構造と比較してかなり費用がかかります。ひとつの目安として250万円程度は見ておいた方がいいでしょう。なお、免震構造は横揺れには強いですが、アイソレータの構造上、縦揺れにはほとんど効果がなく、構造上の制約から地下室を設けることもできません。また、地盤が軟弱ですと動作が不安定となるため、軟弱地盤に免震構造は向いていません。地盤が横揺れしても住宅はあまり揺れないため、敷地に住宅が横揺れしても大丈夫なように揺れ幅分のスペースが必要です。
まとめ
免震構造はコストが高いという点がネックですが、大きな揺れを軽減する効果が最も高いという優れたメリットがあります。大地震への安心を最優先するなら、制震構造や耐震構造よりも免震構造が最も適していますので、コストを負担しても免震構造にするという考え方もあります。住まいの構造で地震の揺れへ備えるには、免震構造、制震構造、耐震構造の3つがあります。それぞれの特徴をよく理解したうえで選択するとよいでしょう。