古材とは
古材とは、国産の木材が住宅建設に使われていた1950年以前に建てられた住宅から取り出された木材をいいます。1950年より後は、住宅建設に輸入木材が大量に使われるようになりました。古民家で長く使われてきた古材には独特の風合いがあり、築約50年以上の住宅で使われていた木材を古材と呼ぶ場合もあります。木材に限らず、古民家の基礎の石やドアの金具など、その他の部材も古材にあたります。
リノベーションのワンポイントアドバイス
[古材のリノベーションにおけるメリット]
古材には長い年月を経たものだけに生まれる魅力があります。古材をリノベーションで採用するメリットは、次があります。
新しい木材には出せない特有の素材感
新しい木材では決して出せない古材特有の味わいや風合いが感じられます。傷や割れなどもあるのが古材ですが、そうしたものも、歳月の長さを感じさせる価値あるものとなります。建材としてだけでなく、古材で家具を作るといったことも可能です。
自然乾燥による高い強度
短期間で乾燥される現在の木材と異なり、古材はゆっくり時間をかけて自然乾燥されています。このことで、古材には高い強度が長期に渡って持続する性質があります。
レトロ感を演出するインテリア
曲がった木や古民家で使われていた備品などを、デザイン性に魅力あるインテリアとして用いることで、レトロ感のある雰囲気を醸し出すことができます。
リサイクル使用により環境に優しい
古民家を解体した際に出た木材などを廃棄せずに、古材として再利用するため、廃棄物を減らせ、森林保護にも貢献し、環境に優しいといえます。
[古材のリノベーションにおける注意点]
特有の風合いが魅力の古材ですが、注意点にはどのようなものがあるでしょうか。
・大量に入手することが難しい
・古材ごとの状態が異なる
・使う前に手入れが必要でコストがかかる
古材は希少であり、古材を古民家一軒分まとめて譲り受けるといったことでもない限り、リノベーションに使う木材をすべて古材にするのは難しいかもしれません。規格化されている今の木材とは異なり、古材ごとに経年変化の具合が異なるものです。それが魅力ともいえますが、状態を揃えたい場合は注意したほうがよいでしょう。古材を利用する前には、水洗い、乾燥、研磨など、事前に手入れが必要なため、コストがかかりがちです。
まとめ
長い年月を経てきた古材の良さを活かして再利用すれば、さらに長く使えるようになります。古材には、それを使って暮らしてきた先人の歴史の重みが感じられるため、そうした歴史も古材の魅力ともいえるでしょう。多少コストはかかりますが、独特の魅力を活かしたいとお考えなら、古材をどこに何を使ったらいいかなど、あれこれ考えてみるのも楽しいでしょう。