梁とは
梁(はり)とは、柱と柱の間に渡して、屋根などの重みを支える部分です。基本的に柱の上に設置されていて、柱と共に家のかなめとなります。神社の鳥居を想像してみると、柱と梁の関係が理解しやすいでしょう。縦の柱と横の梁が互いを支え合うように均衡を保っているのです。なお、昔は弓なりの木材を使うことが多かったと伝えられていて、弦を張った弓の形状を思わせることから、ハリと呼ばれるようになったとも言われています。特に、雪深い地方では屋根の荷重に耐えやすい自然に曲がった木材が好まれていたようです。
梁をリノベーションするときに意識しておきたいポイント
リノベーションする際に、内装をどうするかを考えることはとても大切です。部屋をより広く使いたい場合や、天井を高くしたいという場合、壁や天井を広げることを考えるケースもあります。そこで、どうするのかを考えることになるのが梁です。最近はあえて、内装の一部として外に出すというリノベーションも人気となっています。そこで、梁を見せる場合と見せない場合、それぞれどのようなメリットがあるのかを知っておきましょう。
[梁をあえて見せるリノベーションのメリット]
カフェによくある古民家リノベーションの多くは、あえて梁を見せる内装にしています。そのデザイン性の高さに憧れる方も多いのではないでしょうか。そこで、実際に梁が見えるリノベーションをした場合、メリットにはどういうものがあるかを説明します。古い建物の場合、梁に使っている木材が貴重なものであるというケースがあります。そういう場合には、むしろ梁を見せないともったいないと言えるでしょう。現代では見られないような立派な木材なら、それはその家の個性です。隠しておくよりも見せたほうが話題にもなります。ただ、新しい家の場合にはそういった自然の木の形を活かした建材は使われていません。少し無機質になってしまいますが、あえてそれがいいという方もいるでしょう。もし、新築でも個性的な梁が欲しいという場合には、飾りとしての見せ梁をつけるという方法もあります。このように、梁は部屋の空間に立体的なメリハリを付けてくれるため、デザイン的にも優れた存在です。昔の人も彫刻を入れて楽しんだり、荘厳さを現したりしていた箇所としても知られています。神社などにある虹梁には、さまざまな飾り彫りがされていて、とても美しいです。個性的なデザインの美しさが、梁を残すリノベーションのメリットと言えます。
[梁を隠すリノベーションのメリット]
リノベーションでは、梁を隠したいという場合も、もちろんあるでしょう。むしろ通常は隠しておくのが普通です。ただし、古い家で天井が低い場合や、天井を高くリノベーションしたいというときには、梁を隠すのにひと工夫が必要です。このような場合には、必ず業者の方と現場で相談するようにしましょう。特に、現代風の部屋の場合は、隠したほうが見た目もすっきりします。そしてなにより、部屋は凹凸が少ないほうが広く見えます。その他、天井をフラットにすると高く感じるという効果もあります。さらに、照明の光が均等に広がるので、部屋が明るくなります。以上から、梁を隠すリノベーションのメリットとしては、広さと明るさを確保できるということが考えられます。