実例から学ぶウィンドウトリートメントの選び方
みなさんは、“ウィンドウトリートメント”という言葉を耳にしたことはありますか?
窓まわりを装飾する製品を総称する呼び名で、家具や照明と同じくらい、お部屋の印象をつかさどる重要な存在です。
今回は、そんなウィンドウトリートメントのなかでもっとも主流な『カーテン』についてお話をしていきます。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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<この記事のトピックス>
・まずは生地の種類を知ろう
・実例から学ぶカーテンの吊り方
・窓だけじゃない!カーテンの活用術
まずは生地の種類を知ろう
カーテンの生地はドレープカーテンとシアーカーテンに大別されます。
ドレープカーテンは厚手の生地のもの、シアーカーテンは薄手の生地のものです。
一般的にはドレープカーテンとシアーカーテンを組み合わせて吊るすことが多いですよね。
特にLDKの窓は面積がおおきいため、カーテンは空間の印象を大きく左右します。
柄や色味をいれると空間のアクセントになりますし、壁や床との調和を意識し同系色でまとめると、すっきりとした印象になります。
・リノベーション事例:「FREELY」(神奈川県横浜市)
▲植物の柄でお部屋の観葉植物とも相性◎
・リノベーション事例:「evergreen」(東京都品川区)
▲まっしろなカーテンで壁と一体化しすっきりとした印象に
○遮光性能について
ドレープカーテンは遮光機能がついているものもあり、1級、2級と光を遮る度合いを示す遮光級という基準があります。1級がもっとも遮光性能が高く、日中でもほぼ真っ暗にすることができます。
遮光カーテンは寝室に採用される方が多く、ほかにもホームシアターを楽しみたい方や防犯上、部屋の明かり漏れが気になる方にもおすすめです。
透明感をいかしたシアーカーテンは、最近では色味や柄なども多種多様で、一般的にイメージされる白いカーテンの他にもたくさん種類があります。
シアーカーテンは遮蔽性(しゃへいせい)が優先されることも多いですが、眺望がよく外の景色を見せたい場合や、開放感を出したい場合などは透過性が高いものもおすすめです。
外からの視線が気になる場合は、柄物のカーテンや、ミラーレースと呼ばれる光を反射することで外から室内を見えにくくするカーテンがおすすめです。
また、カーテン生地にはさまざまな素材が使われており、ポリエステル繊維やアクリル繊維などのシワになりにくい素材が主力ですが、天然繊維の風合いをいかしたリネンなども人気の種類の一つ。
○プリーツについて
プリーツ(ヒダ)の種類によってもカーテンの印象は変わります。
一般的には1.5倍ヒダ(2つ山)・2倍ヒダ(3つ山)・フラット(ヒダなし)の3種類が主流です。ヒダが多いほどボリューム感が出るため見た目も豪華で保温性も高まります。
反対に、フラットカーテンはすっきりとした印象になります。ラフな印象にしたい方や、生地の柄を楽しみたい方におすすめです。
実例から学ぶカーテンの吊り方
カーテンの吊るし方にもさまざまなタイプがあります。
一般的には居室側にドレープカーテン、窓側にシアーカーテンを吊るすことが多いですが
取り付け方でもアレンジが可能です。
○シアーカーテンのみ
外からの視線が気にならない方などはシアーカーテンのみを吊るし、軽やかな印象にすることもあります。
ドレープカーテンを開けている時の左右のたまりもなく、常にすっきりとした見た目を保つことができます。
ただ、カーテンは断熱や遮音等、生活環境を整える役目もあるため、ドレープカーテンをつけるかつけないかはお部屋の環境に合わせてご検討いただくことをおすすめします。
・リノベーション事例:「sugar」(東京都江東区)
▲ノイズがなくすっきりとした印象に
・リノベーション事例:「SIMPLE×SOZAI」(神奈川県横浜市)
▲風合いに特徴のあるカーテンを吊るすと、直線的な家具が多いお部屋にもやわらかさがプラスされます
○フロントレーススタイル
シアーカーテンの軽やかな印象や、生地の柄を夜も楽しみたい方はフロントレースといわれる吊り方もおすすめです。
通常の吊るし方とは反対に、シアーカーテンを居室側に吊るすスタイルです。
シアーカーテンをいかすため、ドレープカーテンは無地のシンプルな生地がおすすめです。
・リノベーション事例:「SIMPLE×アパルトマン」(東京都世田谷区)
▲柄もののシアーカーテンの後ろには無地の遮光カーテンを採用
○ブレイクスタイル
床まである窓(掃き出し窓)にて、カーテンの丈を床よりも長めに垂らすスタイルです。
ゆったりとした優しい雰囲気を演出します。
・リノベーション事例:「饗〜kyo〜」(東京都江戸川区)
▲リネンなど、伸縮する生地の縮み防止としてもおすすめ
○形状でアレンジ
通常のカーテンの他にも、さまざまな形状のカーテンがあります。
生地に穴を開けポールに通して吊るすハトメカーテンは、カジュアルな印象になります。
帆布などの厚手の生地と相性がいいです。
・(左)リノベーション事例:「ととのい」(東京都江東区)、(右)「ウッドクラフト」(東京都目黒区)
吊るすだけでなく、ファブリックをクリップで吊るすタイプも人気があります。
マルチクロスなどの既成サイズのファブリックでも、窓の高さに合わせて丈を折り返し調整して吊るせます。
天然素材のリネンやコットンなど軽やかな生地との相性がいいです。
・リノベーション事例:「SIMPLE×アパルトマン」(東京都世田谷区)
・リノベーション事例:「エッセンス」(神奈川県川崎市)
窓だけじゃない!カーテンの活用術
カーテンは窓まわり以外にも活用可能です。
WICやパントリーなどの扉代わりにカーテンを用いたり、空間の間仕切りとして使ったり。
建具を設置するよりもコスパが良く、アレンジ次第で柔軟な使い方ができるのがポイント。リノベーションの際にカーテンレールを設置しておくと、暮らしの幅も広がりそうですね。
・リノベーション事例:「ニュアンス×maison」(東京都)
▲建具(ドア)代わりに
・リノベーション事例:「モルタル×artistic」(東京都目黒区)
▲収納の目隠しに
・リノベーション事例:「円柱×ワンルーム」(埼玉県さいたま市)
▲ワークスペースの間仕切り代わりに
・リノベーション事例:「ROUGH×廊下」(神奈川県川崎市)
▲作業スペースの目隠しとしても
いかがでしたでしょうか。カーテンはさまざまな種類・用途があるので、家づくりを計画中の方はぜひお気軽にご相談ください。
今回ご紹介しきれなかったプリーツスクリーンについては、こちらの記事で綴っていますので、よければのぞいてみてくださいね。