nuスタッフの小西が住まい手として、創り手として。
自宅リノベで気づいたことや、細部がもたらす心地よさを、全10話で綴っていきます。
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第五話では、塗装についてお話ししました。
今回は壁や天井と同じように、部屋の印象を大きく左右する床の話。
・素材選びで考えたこと
フローリング、タイル、カーペット…
床材ひとつとっても、世の中にはたくさんの選択肢があります。
赤茶色の磁器質タイルを敷き詰めて、海外の家のように仕上げるのも素敵だなと憧れはありました。
けれど、器やコップを落とした時の音を気にしたり、
子どもが転んで頭をぶつけないように気にかけるのは、
前の家と同じ状況になってしまう。
私にとって身近で安心感のあるフローリングをメインに、
水回りや寝室は、耐水性のある長尺シートでコストをコントロールすることにしました。
・憧れと現実
憧れていたフローリングは2つ。
ひとつは港区にある「CONNEL COFFEE」で出会ったもの。
デザイン事務所nendoがデザインした「stream」というフローリングです。

ショールームにも実際にみに行って素敵だったけど、ストレート張りにするならチークが良かったり、表面に汚れがつかないようにコーティングされているので少しツヤっとしていたのが気になったり、価格のこともあって断念。
もうひとつはオークの15cm角のパーケットフローリング。
私の大好きなモデルさんの自宅で使われていて、
そこに合わせているインテリアごとすごく好みの雰囲気でした。

オークのパーケットで心は決まっていたけど、
取り置きができない商品で、運悪く発注時に在庫切れ。代替え品を探すことに。
本当なら床に合わせて造作物や建具を決めていくのが整えやすいと思うけれど、すでに着工直前で、造作物や建具に合わせて床を探すしかない状況でした。
・新たなフローリングとの出会い
やってみたかった細かいパーケットフローリングが実現できないことにショックを受けながらも、少しでも理想の雰囲気に近づけたくて、サンプルやカタログを片っ端からみていきました。
その中で出会ったのが、無垢のチークのパーケットフローリング。
こだわったポイントは、30cm角を何枚で割っているか、色むらがどれぐらいあるか。
私は細かく割っていて色むらが大きいものの方が、
無垢らしく立体感のある表情が出るので好みでした。
チークにしたのは、白い壁と天井の空間に、赤みを帯びた深めの茶色のコントラストが美しいと思ったから。

結果的に、このチークの30cm角のパーケットにして大正解。
想像以上に広かったLDKには、15cm角よりも30cm角の方がしっくり馴染んでくれました。
・床は、暮らしの舞台
チークの無垢フローリングにして、思いがけず良かったことも。
まずは埃が目立たなくなったこと。
薄い色のフローリングの部屋で2人暮らしをしていた時、
夫は家にいるとずっと床を掃除していて、
埃が気になってしまうことがストレスだと話していました。
けれどチークの床で過ごしている今、「埃が全然気にならない!」と喜んでいます。
それに、お風呂上がりであろうと家の中では必ず靴下を履いていた夫が、
無垢のフローリングになってからはほとんどの時間を裸足で過ごしているのです。
「すべすべしてて、いいね」と無垢の木の質感を楽しんでいる様子。
こんなふうに上機嫌な夫を見ていると、
代替え品ということも忘れるぐらい「このフローリングにして良かった」と心の底から私も嬉しく思います。
今回、フローリングを決めるときに考えたのは、つや(質感)、貼り方、色味。
パーケットなら何枚割か、どのぐらい色むらがあるか。
床は張り替えが簡単ではないからこそ、一つひとつの違いを細かく見極めていきました。

質感や色味、幅…。そしてそれをショールームで大きな面積を確認してみる。
それだけで、空間はグッと自分らしいものになっていくはずです。
床は暮らしを静かに支える舞台のようなもの。
毎日を歩き、触れ、光を映しながら、私たちの時間を受け止め続けてくれる大切な存在なのです。
次回はインテリアの話。
床がチークになったことで、大好きなヴィンテージ家具の雰囲気と相性が良くなりました。
好きなヴィンテージショップや、どんな視点で家具を選んだか、
たくさんお話しできればいいなと思います。