動かせない柱や梁を活かしたアイデア4選
先日、nuリノベーション(以下、nu)のInstagram(@nu_renovation)で5万人のフォロワーの皆さんにリノベの疑問やお悩みを募集しました。今回はその回答シリーズ第一弾!テーマはリノベするほとんどの場合にぶち当たる、「動かせない柱と梁問題」についてです。
梁の圧迫感や、動かせない柱によってリノベの自由度が下がってしまうのでは…?なんて不安も多いですよね。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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柱や梁が動かせない理由って?
まずは、柱や梁が「動かせない」理由について。
鉄筋コンクリート造のマンションの場合、天井には必ず大きな梁が入ります。
この梁は、四隅の柱と柱をつなぐマンションの構造体であり、撤去することはできません。(ラーメン構造といいます)
柱が動かせない理由は、パイプスペースといって、柱の中に水道管やガス管などが通っている場合があるから。
これらは多くの場合建物を縦に貫くようにして上下階とつながっているため、場所を移動することができません。
詳しくはこちら→ 変更できる「専有部分」と変更できない「共用部分」
リノベ向きの物件探しから承るnuでは、ご紹介した物件を内見する際に仲介アドバイザーが動かせる柱かどうかをチェック。
リノベの可能性を見極めながら物件探しを行うことができます。
しかし、動かせない柱や梁の存在によって希望の条件にぴったりあった物件を諦める…なんてことは悲しいですよね。
ちょっとクセありな物件でも、デザインでそれを魅力的に変えてしまうのがリノベーションの面白いところ!
ここからは実例を用いて、柱・梁を上手に活用したリノベーション事例4選をご紹介します。
|Case.1 高さ60cm×全長5m、存在感抜群の梁をグレーでドレスアップ
リノベーション事例:「our’s」 (千葉県柏市)
リビングとキッチンの間を通る、チャコールグレーの梁。
空間の印象をスタイリッシュに彩る、重要な役割を果たしています。
リノベーション前、この梁のせいで物件の購入自体を懸念するほどだったというT夫妻。
リビングを通る高さ60cmの大きな梁は、なかなかのインパクトだったそう。
リノベーションの可能性を信じてこの物件の購入を決めたT夫妻に対して
設計デザイナーから提案されたのは、梁をグレーで仕上げてあえて目立たせるプラン。
イメージパースを見て、逆転の発想で生み出されたデザインに一目惚れしたというご主人。
そこからはグレーの色味を夫婦とデザイナーでとことん吟味したそうです。
大きなLDKというハコの中で、リビングとキッチンをゾーニングする役目も果たすグレーの梁。
内見時には悩みの種だったとは思えないほど、空間をかっこよく彩る部屋の主役になりました。
|Case.2 柱で仕切る、オリジナルシェルフ
リノベーション事例:「L>R」 (神奈川県横浜市)
こちらの事例は、リビング中央にあるブラックの柱がポイント。
リノベーション前は収納の中に隠れていたこの柱は、内側に配管が通っており移動させることができませんでした。
リビングを広くオープンにすると、どうしても柱が表に出てきてしまう…。
そこで、柱をうまく活用するために、柱とつながるオリジナルの壁面収納を設えることに。
柱と白い壁の間には棚板の分スキマがあり、抜け感を感じさせる仕上がり。
窓枠や棚受けなど随所に散りばめたパーツと柱がブラックでリンクして、空間全体に統一感が出ています。
|Case.3 こんなところに!梁に造作収納をプラス
リノベーション事例:「本と暮らす家」 (東京都板橋区)
グラフィックデザイナーで、数千冊の本を所持しているというMさん。
リビングの2面の壁に本棚を取り付け、隙間がないほどにたくさんの本を収納しています。
それでもさらに収納を増やしたい!と、コンクリート現しにした梁に吊り棚を取り付け。
ブラウンのモクとアイアンでシンプルに仕上げたオリジナルシェルフは、まるでブランコのようなかわいい見た目です。
頻繁に手にするわけではないれど、常に目に入る場所に置いておきたい。
そんなお気に入りのコレクションの収納にぴったりな、梁スペースの活用法です。
|Case.4 仕切るようで仕切らない、ワークスペース
リノベーション事例:「DRAFT」 (東京都杉並区)
時計がかかっている左側の柱は、内側に配管が通っており動かすことができなかった場所。
柱の後ろにはデスクを置き、リビングの一角をワークスペースにしています。
壁がなくても、柱の存在感のおかげでその一角が仕切られているような印象に。
黒板素材で仕上げたのもポイント。
ささっと書き込むだけでどこかおしゃれな伝言板は、家族みんなの目につきやすい便利な存在です。
最後に
柱・梁がデザインのポイントになった4つの事例、いかがでしたか?
どうしても消すことができない柱や梁の存在感は、仕上げ次第では部屋の意匠性を高めたり、ゾーニングとして一役買ってくれる場合も。
どの事例も最初はマイナスポイントだった柱や梁が、発想の転換によってなくてはならない存在になっています。
物件の個性を活かす、リノベーションならではの空間づくりをご紹介しました。