留め加工
今回ご紹介するのは、フローリングやタイルなどの材料を“納める”とき加工の種類について。
壁同士や、異なる方向で張られたフローリングがぶつかる継ぎ目など、
2つの材料が組み合わさる際には、材料同士がうまく納まるように端部分を加工する必要があります。
“納まり”って、普段お家の中やお店の建築を見てもなかなか気に止まらない部分ですが、
ひとくちに加工といっても様々な種類があるんです。
今回は、1番ポピュラーな「留め(とめ)加工」についてお話しようと思います!
◎留め加工とはなんぞや…?
ひとことで言うと、「ふたつの部材をななめ45°にカットして継ぐこと」です。
45°でないときは、また異なる呼び方をしたりもするのですが
「留め」と対になるのは「いも」と呼ばれる継ぎ方。
身の回りを見てみると、圧倒的に多いのは「いも」です。
その理由は単純で、加工が楽だから。
真っ直ぐカットするだけで隙間なく継ぐことが出来るのです。
どちらの加工も場面によってのメリットがあるのですが、今回は「留め」を用いてフローリングを張った事例を紹介します。
リノベーション事例:「SIMPLE×アパルトマン」
アッシュトーンに加工したオークフローリングを部屋全体に敷き詰めているこの事例。
縦と横、2方向で張っているのですが、ちょうど合わさる部分をリビングの中心に持ってきて、留め加工によるナナメの納まりをデザインのポイントにしているんです。
とっても美しいナナメライン、出来上がるまでの過程を現場目線でお伝えします^^
まず、基準となる位置に墨でしるしを打ちます。
その墨にそって1列目を仮置きし、ああでもない、こうでもないと言いながら微調整をしていきます。
こんなにも調整に時間をかける理由はといいますと…
1列目がズレると、その後張っていくすべての列がズレてしまうからです。
2列目も慎重に張り進め、やっと3列目。
一通り張り終えた様子がこちら。う、美しい…!
お引渡し後、お客様のインテリアが入るとこんな感じ。
ひかえめでありながら、しっかりお部屋のアクセントになっています!
今回はフローリングでご紹介しましたが、
造作のカウンターや笠木等、至るところで「留め」は用いられます。
みなさんも身の回りの「留め」、「いも」を是非探してみてください◎
次回もお楽しみに!