[2019.6.20]
最近リノベーションの事例を見ていて感じることがあります。
それはコンクリートの質感が多い。
そしてコンクリートの魅力って何だろうって、ふと考ました。
そもそもコンクリートの壁や梁は鋳造という方法で作られます。
鋳造っていうのは、型枠にコンクリートを流し混み、それが固まった後、型枠をとることで壁や柱の形を作る方法です。
このように作られるのでコンクリートには型枠の跡が残る特徴があります。
余談ですが戦後の50/60年代はブルータリズムというものが流行っており、この型枠の跡など積極的に意匠として取り入れられておりました。
しかし住宅の場合、このコンクリートは隠されることが多いです。
コンクリートだけだと、外の外気から守れないという理由と、コンクリートの持つ荒々しさが、安らぎのイメージを担う住宅とは合わなかったからだと思います。
そして最近、リノベで見られるコンクリートの質感。
これは敢えて住宅に荒々しさを導入することで、安らぎのイメージとコンクリートの質感を対立させる、詩に見られる手法と似ているところがあるからでしょう。
でもこれなら、新築でもできますね…
リノベならではのコンクリートの魅力。
それは、長い間、表面の仕上げに隠されていたコンクリートが、露わになる瞬間なんだと思います。
型枠から外されたコンクリートと同じ、仕上げという型枠から解放されたコンクリートの飾らない表情は、とても魅力的です。
古い物件だからこその魅力、アクセントとしてコンクリートの壁や梁を見せてあげるのもいいですね。
シンイチ