季節を感じられる美しい緑に包まれる街、本駒込。
穏やかな街並みを一望できる、あるマンションをリノベーションした男性のもとを訪れました。
心を癒す景色
経営コンサルタントとして、グローバルに働くSさん。そんなSさんの住まいは本駒込にあります。都心の主要エリアにあってアクセスも良好でありながら、緑が多く閑静なこの街。長年本駒込の賃貸マンションで暮らし、そろそろ同じエリアで物件購入をと考え、仕事の合間を縫って物件探しをしていたんだそう。新築・中古様々な物件を見比べた上で、理想の空間を作り上げるリノベーションが自分に適していると感じ始めたというSさん。そんな中で駅からほど近い高層階の中古物件に出会いました。抜群の眺望に惹かれ心を決めかけていた時、不動産屋から「リノベーションをするなら、リノベ業者と一度一緒に訪れた方が良いかもしれません。」との助言が入ります。中古マンションの購入はスピード勝負。早速リノベーション会社を調べ始めると、事例の掲載が豊富なnuリノベーション(以下、nu)のHPにたどり着きました。早速来社し購入予定のマンションについて伝えると、nuスタッフ同行での内見が決定。実際に現場でイメージの共有も出来たことから、すぐさま物件の購入を決断されました。この物件の魅力は何と言っても見晴らし。取材当日は残念ながらあいにくの雨でしたが、晴れていると穏やかな街並みを一望できるんだそう。お仕事で4年間インドネシアに駐在していたSさん。その時の住まいについて伺うと「駐在員はだいたい外国人向けの豪勢なマンションに住むんですが、私はあんまりそういうところが好きじゃなくて。ここみたいな市街地でも比較的静かで住宅街のようなところに住んでいました。」と話します。静かで緑豊かな景色を眺めることは、忙しく働くSさんにとって癒しの時間なのかもしれません。
妥協のないこだわり
デザインに関する打合せが始まると、真っ先に伝えられたのはキッチンにまつわる要望。忙しい日常の中でも時間を見つけて料理を楽しむことが多く、「ガスコンロは4口」「吊り棚を設ける」など叶えたいこだわりが沢山あったんだそう。様々なシステムキッチンを検討した上で、最後に出会ったのがWOODONEのスイージー。ダークブラウンの無垢ウォルナットで作られた、他にはない高級感に惚れ込み、部屋のどの部分よりも先にこのキッチンを採用することに決めました。キッチンに合わせ、フローリングにも同じくウォルナットを使用することに。ウォルナットは世界4大銘木にも数えられる高級品種。その本物の質感をとことん楽しむため、LDKから寝室、そして廊下まで全て無垢ウォルナットで仕上げることになりました。「『ウォルナット風塗装』ではなく本物のウォルナットを使用するのがSさんらしいところです。」とデザイナー。それに対しSさんは「一度見てしまうと、せっかくならいいものを、と思ってしまうじゃないですか。」と笑います。より良いものをとことん追求するSさん。妥協のないそのこだわりが、空間の随所に光っていました。
世界の彩り
壁のクロスは全て白以外の色。一見プレーンなリビングの壁も、うっすらグレーがかった色味を使用されています。クロスのカラーを決めた背景を伺うと、「前の家では写真をなかなか飾れなくて。壁に写真を飾ることを前提で、全ての部屋の壁を違う色にしたんです。」と話すSさん。LDと廊下、そして寝室と水回りに飾られた色鮮やかな美しい写真。実はこれ全て、Sさんが世界各地に赴いて撮ってきたものなんだそう。「飾ってあるのにも実は隠れたこだわりがあって。リビングはキューバの写真で、廊下はイラン。部屋の場所ごとにテーマがあるんです。」Sさんのリアルな体験を切り取った写真の数々は、鮮やかなブルーやグリーンの壁にまるで展示品のように飾られていました。また、グローバルなSさんの生活が現れている部分はキッチンにも。システムキッチンの色味に合うように作られたオリジナルのカウンター。ダイニング側の2面には小物を飾るためのニッチが設けられています。「部屋全体の設計が固まってきたときに、『あれ、お酒をしまうところがないな』と思って。本や雑誌を置く想定だったんですけど、どうせならここにお酒を並べてしまおうと思ったんです。」そうして、Sさんのアイデアによって造作のカウンターにお酒のボトル用のスペースが設けられることに。幅いっぱいに並べられたカラフルなボトルの数々は、そのほとんどがSさんが世界各地で購入してきたもの。見たこともないようなお酒が並ぶS邸は、街のどんな酒屋さんよりもワクワクしてしまいます。
極上のファーストプレイス
「最初はリビングを大きく2つに仕切るつもりだったんです。」とSさん。「いずれまた長期的に海外に行くことになった時のために、売却も考えて使いやすい間取りがいいのかなと考えていて。でもしばらく悩んだ結果、何が起こるか分からない先のことのために家を作るより、今は自分の一番住みたい家にしようと思って。開放感のある状態でお願いしました。」窓からは景色が抜け、シックなウォルナットが贅沢に敷き詰められた大きなリビング。キッチンのカウンターに立って、部屋全体を眺めながらお酒を嗜む時間がSさんにとって幸せなひとときなんだそう。壁やフローリングの素材一つ一つから、水回りやキッチンの設備、そしてインテリアまで。全てにこだわりが行き届いた空間には、Sさんが持ち帰ってくる世界各国の風が流れ込みます。海外での仕事を終え、帰ってきたときに最高級のくつろぎを感じられる、贅沢な大人の住まいが完成しました。