こんにちは。
今回は、映画館で観た映画についてです。
大きなスクリーンで映画を見ることが好きな私にとって、
気になる写真家の一人、森山大道氏のドキュメンタリーが上映されている情報をキャッチし、
映画館に向かうことにしました。
写真の世界で大御所として君臨する森山氏は、
世界的にも注目され、映画の中でも、
パリでの大規模な写真見本市が一つのハイライトとして描かれています。
また、森山氏のこれまでのキャリアを振り返りつつも、
絶版になっていたデビュー作である写真集の刊行に対峙する
編集者、デザイナー、そして森山氏の熱いものづくりの現場が、
この映画の一番の注目ポイントになっています。
ストリートスナップ写真を撮り続ける森山氏の写真は、
カラー写真も発表されていますが、
多くの写真はアレ・ブレ・ボケのモノクロームの世界です。
映画を見ながら、
初めて森山氏の写真を見たときの、
どこか怪しく妖艶でありつつも、
モノクロームのカッコ良さに魅了されたことを思い出しました。
写真が描く世界だけを見ていると、
少しおっかない、人寄り難い人物という印象を持ってしまいますが、
海外のファンに気さくにサインする姿や、
穏やかな口調から語られる姿に大らかで柔らかい人柄を感じます。
しかしながら、インタビューの1つ1つの言葉には、
深い哲学が垣間見れて非常に切れ味があります。
そう、今回の映画のタイトルは、
「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい」
森山氏を全く知らない人、写真だけは見たことある人にとって、
氏の語る言葉ひとつひとつに驚きながら、
映画を通して、森山大道の世界に入っていけるのではないでしょうか。
[2021.06.22]