ひとつの依頼が私のところへやってきました。
nuスタッフのお子さんからの図面の依頼です。
きっかけは、
「パパの仕事は何をしているの?」
「家づくりだよ。」
こんな会話だったそうです。
どんな家をつくっているのかを見せると家づくりに対する興味が湧いたそうで、
お子さん自身で理想の家の絵を描いていたとのこと。
私は、実家に投函される新築マンションの図面を見て、よく理想の部屋を妄想していたなあと懐かしさを覚えました。
そんな懐かしい記憶もあり、お子さんの絵を図面にすることで、デザインに対する興味の後押しができればいいなと思い、喜んで引き受けました。
〜依頼〜
お子さんが会社に来てくれました。
「リビングはここで、キッチンはここで、私はママと一緒の部屋でお姉ちゃんはパパと一緒の部屋!」と、自分で描いた絵を指差しながら理想の家を案内してくれました。
お子さんが描いてくれた家の絵がこちら。
今回の依頼は2F建ての戸建てです。
1Fはリビングやキッチンなど、家族みんなで過ごす場所。
2Fはお子さんたちの部屋になっています。
家に帰ったらすぐに手洗いうがいがご家庭のルールだそうで、玄関のすぐ近くに洗面があります。
和室は今の家にないため憧れているとのこと。
この水回りと和室の位置関係、とってもいい過ごし方ができそうです。
子どもならではの余白も、何かいい使い方が出来そうな気がします。
〜提案〜
約1ヶ月のお時間をいただき、図面をお渡しする日がやってきました。
喜んでほしいという気持ちが強く、すごく緊張していましたが、
お渡しした瞬間の食い入るような表情や徐々に笑顔になっていく姿を見て、喜んでくれてよかった、1ヶ月頑張った甲斐があったなと思いました。
お渡しした図面はこちら。
お子さんにもビジュアルで喜んでもらえるように、
柔らかい雰囲気づくりを意識しました。
お風呂上がりの時間を和室でゆっくり過ごせるように、
洗面の近くにあった余白にお風呂を配置しました。
リビングの周りの余白は、外の植物にお水をあげたり、窓を開放して外部との中間領域になるような「室内の縁側」として反映しました。
大学の課題のような自由な設計はとても楽しく刺激的でした。
お子さんはもう次の家(5F建て)を考えているそうなので、私も負けていられませんね。
[2021.07.02]