こんにちは。
最近はすこしずつ秋を感じられるようになってきましたね。
本日は、「カステル・ヴェッキオ美術館」をご紹介したいと思います。
イタリアのヴェローナにある「カステル・ヴェッキオ美術館」は、
建築業界では有名な美術館です。
古いお城を改修した建物は、
建築家カルロ・スカルパによって設計されました。
この建物の美しさの一つが新旧の対比と言われています。
既存のアーチ開口に取り付けられた鉄格子やガラス窓、
彫刻を展示するための什器など
既存の価値を尊重し、
古いものと新しいものが
互いを引き立て合うための工夫が凝らされています。
また、スカルパの建築はどれも
展示室と展示室を繋ぐ動線や
建物へのアプローチ空間、
建物と建物との間のボイド空間など
“繋ぎの部分“が緻密にデザインされています。
たとえば、階段のデザインは
ひとつと同じものがなくて、すべて美しい。
また、展示のために据えられたかのようなこの屏の裏には
実はトイレの入口があります。
これも“繋ぎ”の妙がみえて、
私的胸きゅんポイントです。
スカルパの設計した建物のお気に入りポイントは
スカルパによって動きを誘導されているような気がしつつも、
それが全く嫌じゃない、
むしろ、楽しく跡をたどってしまうところ。
私がすきな建築家のひとりです。
イタリアにはまだまだ
スカルパによって手掛けられた建築がたくさんあります。
それらは、また次の機会にご紹介したいと思います。
季節の変わり目で体調など崩されませんよう
皆様、どうぞご自愛ください。
[2021.09.21]