住宅メディア編集者のニノマエさんが綴る、リノベーション奮闘記。コミカルな描写が思わずクセになる、3人家族のリアルなリノベーションの様子をお届けします。
どんなおうちにしようかな
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物件探しが終わり、次はヒアリングです。その前にnuリノベーション(以下、nu)さんの施工事例から好みの事例を5つ選びます。選んだ事例などを基に担当の設計デザイナーさんが決まります。
これはやや悩ましい宿題です。というのも、私と夫の道徳レベルは同じですが、趣味嗜好は全く異なるので意見がまとまるか不安があります。共通する好みの空間を探るため、nuさんの全施工事例約800件をチェックすることにしました。ホームページ上のお気に入り機能を使って私も夫も好きな事例をどんどん保存していきます。夜に息子が寝ている隙をみて、約3日間かけて選んでいきました。
事例のチェックを進めていくうちに、二人とも空間全体をグレーでまとめたスタイリッシュな空間が好みと分かりました。共通部分私∩夫が存在していて良かったです。事例を5つ選定とのことでしたが、夫婦共通の推し事例2つ、私の推し事例2つ、夫の推し事例2つの計6つを選ばせていただきました。
【夫婦共通の推し事例】
・リノベーション事例:「ROUGH×COOL」
・リノベーション事例:「YOI〜宵〜」
両事例の無機質感やモノトーン調のスタイリッシュな空間が好み。下記事例の塗装の表情やモールテックスのキッチンがかわいいの権化。
【私の推し事例(一部抜粋)】
・リノベーション事例:「NATURAL×WOOD」
木と白を組み合わせたカフェのような空間が好み。アール開口は生涯賃金を費やしてでも取り入れたい。
【夫の推し事例(一部抜粋)】
・リノベーション事例:「SIMPLE×西海岸」
「黒・モノトーンも良いけど、青・紫系の色が好きだからそういうテイストにしたい」(夫・談)
また、nuさんは家具・家電も含めた提案をするため、家に持ち込む家具・家電もお伝えしました。リノベ後に家具・家電が部屋にうまく配置できず失敗した福笑い状態になったり、部屋の雰囲気とマッチせずコラ画像のようになったりなどを防いでくれます。空間ごとに家具・家電の種類、サイズ、色、URLをまとめてお送りしました。
上記に加えて、リノベで実現したいことのまとめを個人的に作成しました。設計デザイナーさんへ希望のリノベのイメージをより具体的にお伝えするためですが、自分が実現したいことを整理できるので作成して良かったと感じています。
まとめでは、まずリノベで実現したい暮らしを記載しました。わが家が実現したいことは、家族それぞれのプライバシーを確立させること。自己を外界と遮断する空間はマストアイテムです。そのため各個室は必須とし、4LDKを希望しました。(現在3人家族ですが、将来家族が増える可能性を考慮しての4LDKです)次に、空間ごとのリノベの優先度をリスト化しました。それから、好きな空間と苦手な空間の画像を貼り付け、それぞれ好きな理由と苦手な理由を記載しました。
そして、リビングやキッチンなどの空間ごとに希望する設計など、その優先度をまとめました。例えばキッチンの場合、リビングにいる子どもの様子を見守りながら家事ができるように対面キッチンを希望しました。優先度は赤字かつ太字レベルの「高」です。
突然ですが、私がリノベで実現したい悲願の3点セットがあります。アーチ開口、造作キッチン、断熱で、これらが実現できれば人生大団円です。悲願達成となるのか、コストなどの都合で諦めざるを得ないのか、気になって仕方がありません。
最後に、苦手なデザインや素材など、その理由もまとめました。設計デザイナーさんがせっかくご提案してくれたのに自分たちの好みではなく採用に至らなかった場合、デザイナーさんの時間と労力が徒労に終わってしまうのを防ぐためです。
なお、リノベのイメージを膨らませるために、InstagramやPinterestを主に活用しました。参考にしたい事例やアイデアを見つけていくことで、実現したいリノベ像が徐々にはっきりしていきます。
また、生活していて不便や不満、もしくは便利に感じることをリノベに取り入れようと意識して暮らしました。例えば、今のおうちだと玄関が狭くてベビーカーでの出入りが大変です。毎回その不便さに憤死しそうなため十分な広さがほしいなど、リノベで解決したい課題(もしくはリノベでも採用したい今のおうちの設計)を探しました。
満足度の高いリノベは、リノベに対する要望を設計デザイナーさんへいかにお伝えするかが大事だと感じています。そのため、しっかり準備をすればリノベ後のおうちで「こうすれば良かった」などのガッカリポイントが発生しにくい気がしなくもなくもありません。
撮影・文:ニノマエ
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