暮らし方をつくる vol.3
こんにちは。
設計デザイナーの渡邊です。
今回の「暮らし方をつくる」でご紹介させていただくのは、東京都大田区の東雪谷エリアで手掛けたリノベーション済み物件です。
デザインのテーマは「ギャラリーのような空間」。
住まい手の個性が色濃く現れるインテリアアイテムの一つひとつが映える、アトリエのようなお部屋をイメージして仕上げました。
また、生活動線をすっきりと整える回遊動線も見どころ。
それではまずは東雪谷というエリアの特徴から解説させていただきます。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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今回の物件は、東急池上線「石川台」駅から徒歩2分程度とかなり駅近。駅周辺の活気あるエリアと、落ち着いた雰囲気の住宅街のちょうど中ほどに位置しています。
また、駅の近くには「雪ヶ谷八幡神社」をはじめ古くからの街並みも残っていて、下町風情が感じられる点も魅力的。治安の良さにも定評があり、とても暮らしやすい街です。
そんな街に佇む、築35年のマンションの一室をリノベーション。
約89㎡というゆとりのある専有面積だったので、間取りはファミリー層をターゲットに3LDKで設え、「ギャラリーのような空間」というテーマに則ったキメ細かな色・素材使いを意識して内装デザインを纏め上げていきました。
先述した通り、今回の物件で意識したのは回遊動線。
それも、ただお部屋の中をグルグルと歩き回れるのではなく、「より効率的で使い勝手のいい回遊動線」を追求することに注力しました。
既存の間取りを見ていただくと、リノベーション前から回遊プランだったことがお分かりいただけると思うのですが、全ての通路に扉がついており、廊下に面する扉は全て開戸で設定されていました。
今回のリノベーションでは回遊する間取りはそのままに、開け放したままの使い方もできるよう引き戸を採用したり、部分的に建具を取り払うことでスムーズな動線を確保。より快適に暮らしを紡いでいただける空間を提案させていただきました。
▲玄関正面の引き戸を開けるとダイニングまで一直線に視線が抜ける
最上階・南西向きと日当たりのいい物件でしたので、たっぷりの自然光がエントランスまで差し込むのもこの動線の魅力。
玄関の下足収納はフロートタイプを採用することで床面を可能な限り広く見せ、間取りは変更しなくても体感的に広がりを感じられる工夫をしています。
LDKの中で存在感を放つキッチンは、住宅設備メーカー「トクラス」の中でも最上位モデルの<コラージア>を採用。
2022年9月に発売された新シリーズで、腰壁や収納の面材に使用している「リュッケファーブ」は、塗装仕上げの豊かな質感と耐久性を両立したトクラスオリジナルの素材です。豊富なカラーバリエーションの中からライトベージュを選ばせていただき、有機的な柔らかさを演出しました。
一方、天板はパキッとした黒で空間を引き締めました。「テノール」という人造大理石天板なのですが、こちらもトクラスオリジナルの素材。熱い鍋などをそのまま置いてもOKなほどの耐久性だそうで、思いきりお料理を楽しみたいという方におすすめです。
Ⅱ型のキッチンはコンパクトながら使い勝手が良く、nuリノベーション(以下、nu)でオーダーリノベーションをされるお客様の中にも採用例の多いレイアウト◎
天板と面材にコントラストをつけたことで、すっきりしたラインが引き立ちますね。
リビングエリアに隣接する個室のガラスパーテーションは視線を遮ることなく緩やかに空間を区切り、広がりや奥行きを感じさせるデザインに仕上げています。
▲細身のフレームで繊細な印象に。
引戸を開き切れば、リビングと一体的にお部屋を使うこともでき、暮らしやシーンに合わせて空間を可変することができます。
続いて、素材や仕上げについて。
床はナチュラルなオーク材、壁や天井は白。なるべく無駄な装飾は削ぎ落として、シンプルで清楚な空間に纏めています。
リビングドアは、建具メーカー「神谷コーポレーション」の中でも、木目が美しいシナ突板材を使用した<SINA>シリーズを採用。
白を基調としたシンプルな空間の中で、シナ材のナチュラルな温もりが視界にふわっと浮かび上がるよう仕掛けました。こちらはフレームレスですっきりとした印象に。
最後に、家具についてのお話です。
今回は「ギャラリーのような空間」での暮らしをよりイメージしていただけるよう、名作チェアたちを部屋に散りばめるようにスタイリングしました。
マレンコのソファ、ル・コルビジェのLC1チェア、フリッツ・ハンセンのドロップチェアなど、素材も色もバラバラな椅子たちですが、空間をシンプルに設えたことでデザインがケンカをせず、引き立て合ってくれていますね。
今回は椅子の佇まいを引き立たせるためにあえてその他のインテリアは最小限としていますが、チェストやローテーブルなどのインテリアを置いて楽しんでいただくのももちろん◎
シンプルなキャンバスを存分に楽しんでいただけたらと思っております。
今回ご紹介したこのお部屋は、販売期間中はいつでも見学していただくことが可能です。
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こだわりの空間をぜひご体感ください。