リノベーションで実現。理想の水まわり事例と抑えるべきポイント
今回は、お風呂や洗面台、トイレなど、リノベーションで理想の水まわりを実現するためのポイントと事例を詳しく解説します。
デザインや機能性など、さまざまなこだわりが詰まったリノベーション事例を多数ご紹介しますので、ぜひご自身の理想のイメージを膨らませて、リノベーションでおしゃれな水まわりを手に入れましょう!

物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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<この記事のトピックス>
・お風呂の種類と特徴
└ 種類別_メリット・デメリット
・洗面台の種類と特徴
└ 種類別_メリット・デメリット
・トイレの種類と特徴
└ 種類別_メリット・デメリット
・最後に
お風呂の種類と特徴
お風呂をリノベーションする方法には、大きく分けて3つの種類があります。
1.【ユニットバス】
天井や床、浴槽などのパーツを工場で製造し、現場で簡単に組み立てられるようユニット化したお風呂のこと。
既製品のためデザインの自由度は低くなりますが、オプションで壁や床のカラー、水栓などを選ぶことができます。
2.【在来工法】
バスタブや水栓などを自由にカスタマイズし、タイルやモルタルなど好きな素材でバスルームをつくることができるオーダーメイドのお風呂。
タイルやモルタルなどの素材を取り入れたい場合は在来工法でのリノベーションがおすすめです。
・リノベーション事例:「MORTAR POT」(東京都江東区)
「バスタイムをゆっくりと過ごしたい!」という思いから、自分好みの大きさに浴槽を造作。
壁や床には白い丸形のモザイクタイルを敷き詰め、同じ空間に洗面スペースを設けることでホテルスタイルのバスルームを実現させました。
・リノベーション事例:「静と動」(東京都渋谷区)
モルタルを施した無骨な空間に、置き型の浴槽を配置したハイセンスな空間。
スタンダードなお風呂より、非日常を味わえる空間にしたい!という方にオススメです。
3.【ハーフユニットバス】
ユニットバスと在来工法を組み合わせたお風呂のこと。
文字通り、浴槽や床など浴室の半分はユニットバスを用い、壁や天井には好きな素材を用いて造作することができるため、機能性とデザイン性の高いお風呂をつくることができます。
・リノベーション事例:「SIMPLE×アパルトマン」(東京都世田谷区)
浴室に大きなL字型の窓があるOさん宅では、メンテナンス性とデザイン性の両立のためハーフユニットバスを採用。
自然光が白いタイルに反射し、明るいバスルームとなりました。
種類別_メリットとデメリット
ここからは、お風呂の種類別にリノベーションにおけるメリット・デメリットをご紹介します。
1.【ユニットバス】のメリット・デメリット
お風呂のリノベーションでユニットバスを採用するメリットは、<機能性>と<コストパフォーマンス>の高さ。
ユニットバスは、それ自体が1つのハコになっているため機密性が高く保温性に優れています。冬場のヒートショック防止にもなる為、特に小さなお子様や高齢の家族がいる場合にもオススメ。
オリジナルで造作するよりコストパフォーマンスが高い点も魅力の一つですが、オプションによってはコストボリュームが大きくなるケースもあるため注意が必要です。
2.【在来工法】のメリット・デメリット
好きなデザイン・素材でオリジナルのバスルームをつくり出せるのが在来工法の最大のメリット。
浴室に窓があったり躯体壁で囲われていたりして既製品が合わない場合も、形状や条件に合わせてお風呂をリノベーションすることができます。
在来工法のデメリットとなるのは、ユニットバスと比較して寒さ対策やメンテナンスが必要な点と、コストボリュームが大きくなってしまう点が挙げられます。
在来工法でお風呂をリノベーションする場合、ユニットバスのようにお風呂自体で機密性を取ることができないため、躯体面の防水工事などを行う必要があります。
しっかり防水されていないと水漏れなどの原因となってしまうため、綿密な下処理が必須。そのためお風呂自体のデザインや性能面以外でもコストがかかることを念頭に入れておきましょう。
<在来工法のバスルーム事例>
・リノベーション事例:「salon」(東京都港区)
躯体で囲まれた限られたスペースにお風呂・トイレ・洗面を納める必要があり、自由度の高い在来広報で水回りのリノベーションを行ったこちらのお宅。
浴槽の対面には洗面台とトイレを。
壁と天井にはメンテナンスのしやすいホワイトパネル、床や浴槽の立ち上がり部分にはタイルを採用しており、海外のホテルのようなバスルームに仕上げています。
3.【ハーフユニットバス】のメリット・デメリット
在来工法よりリーズナブルな値段でオリジナリティのあるバスルームを楽しむことができるハーフユニットバス。
壁にはタイルやモルタルなど好みの素材を取り入れつつ、水が溜まりがちな浴槽や床は機能性・機密性に優れたユニットバスを使用するため、メンテナンスが楽である点もメリット。
ユニットバスに比べて冬場の寒さには弱い点や、選択できる製品の選択肢が少ない点はデメリットとなります。
<ハーフユニットのバスルーム事例>
・リノベーション事例:「Asian black」(東京都新宿区)
ガラス張りのラグジュアリーなバスルーム。
浴槽、床、壁の下部はユニットバスを用い、浴槽より上の壁をガラスとタイルで造作しました。
リビングとのつながりを持たせた特別な空間に仕上げています。
洗面台の種類と特徴
続いては洗面台について。
洗面台をリノベーションする方法には、大きく分けて2つの種類があります。
1.【システム洗面台】
メーカーの既製品。
豊富な選択肢の中からキャビネット(シンク下の収納)の色や形状、機能的な水栓などを選ぶことができます。
ミラー、水栓・シンク・キャビネットをセットで選ぶのがスタンダードですが、部分的にカスタムすることもできるので、システム洗面台を採用しつつオリジナリティを出すことも可能です。
2.【造作洗面台】
天板の素材や収納の大きさ、シンクの形など、全て自由に選べるオーダーメイドの洗面台。
廊下や玄関に洗面をレイアウトする場合などは、インテリア性の高い造作がオススメです。
・リノベーション事例:「ハコのうつろい」(東京都世田谷区)
洗面台はシンプルな白で統一し、シンク下にビルトイン洗濯機を設置。
壁付け水栓を取り付けた立ち上がり部分には正方形のタイルを採用。目地をピンクにすることで、玄関扉の色とリンクしたデザインとしました。
種類別_メリットとデメリット
1.【システム洗面台】のメリット・デメリット
収納内部のつくりやメンテナンスのしやすさなど、各メーカーの知恵が詰まったシステム洗面は実用性を重視したいという方にオススメ。
パーツ一つひとつを個別に発注する必要がある造作洗面台と比較してコストパフォーマンスが高い点もメリットとなります。
ただ、サイズやデザインの選択肢が限られてしまうため、どうしてもつくりたい洗面台のデザインがある場合には自由度の低さがデメリットとなる場合も。
<システム洗面台の事例>
・リノベーション事例:「antique×ニュアンス」(埼玉県さいたま市)
洗面台にシステム洗面台を採用したこちらの空間。
フロートタイプのシンプルな洗面台に壁面タイルやラウンドミラーを組み合わせて、オリジナルデザインの洗面空間をつくり出しています。
2.【造作洗面台】のメリット・デメリット
造作洗面台のメリットは、なんといっても自由度の高さ。
天板の幅や高さ、素材や収納のつくり方に至るまで細かく設定できるため、リノベーションで水回りのリノベーションを楽しみたい方にはもってこいです。
一方で、オーダーメイドの造作洗面台はメンテナンス方法をご自身で把握しておく必要があります。
点検口の場所、天板やキャビネットなどに採用した素材に合った掃除の方法などを設計デザイナーに確認しておくなど、洗面台のデザイン以外の面にも目を向けてリノベーションの計画を進めるようにしましょう。
<造作洗面台の事例>
・リノベーション事例:「koko」(東京都日野市)
WICと一体的に造作の洗面台をデザインしたS邸。
L字カウンターの長辺は奥様のメイクスペースになっていて、「仕事部屋以外に、狭くていいから自分だけの空間が欲しいと思っていた」という奥様のリクエストから、デザイナーが提案したプランだそう。
水栓は、スタイリッシュでデザイン性の高い壁付け水栓を採用しています。
洗面台下部の壁に少しだけ見えている壁の切れ目は、枠が出ないように造作した点検口。収納がオープンなつくりのため、点検口が目立たないようシームレスに設えました。
・リノベーション事例:「sugar」(東京都江東区)
玄関扉を開けるとパッと目を惹くアイランド型の洗面台。
まるで一つの部屋のような開放的な広さで、メイクをしたり、洗濯物を畳んだり、フレキシブルに使える新しいスタイルの洗面スペースです。
モールテックスの天板に置き型のシンクを取り付けたデザイン。台の上をすっきりと保てるよう、側面にニッチ収納を造作し細かい日用品をしまえるようにしています。
トイレの種類と特徴
トイレには、タンク式とタンクレスの2種類があります。
△タンク式トイレ(左) タンクレストイレ(右)
1.【タンク式トイレ】
タンク式トイレとは、便器とタンクが別になったモノをいい、手洗い付きと無しのタイプに分かれています。
2.【タンクレストイレ】
タンクが無い分すっきりとしたビジュアルが特徴のタンクレストイレ。背面のタンクがない分、省スペースの空間におすすめです。
種類別_メリットとデメリット
1.【タンク式トイレ】のメリット・デメリット
タンク式のメリットとなるのは、タンクレスと比較してコストを抑えられる点。また、手洗いが付いているタイプであれば別途手洗い器を設ける必要もないので、コストパフォーマンスを高めたい場合におすすめ。
タンクの中に溜めた水で洗浄する構造のため、マンションの上層階などで水圧が低い場合も安心して設置することができます。
一方でデメリットとなるのが清掃面。便器とタンクの間など、入り組んだ場所に汚れが溜まりやすく、メンテナンスが手間に感じるケースも。
<タンク式トイレの事例>
・リノベーション事例:「frank」(千葉県千葉市)
手洗いなしのタンク式トイレを採用したY邸。
間取りの都合上、トイレ空間の横幅が限られていたことから、手の洗いやすさ・掃除のしやすさを考慮し、リノベーション前は剥き出しになっていた排水の縦管を壁で囲んだことでできた窪みに手洗い器を設置しました。
2.【タンクレストイレ】のメリット・デメリット
タンクレストイレのメリットは、なんといってもそのスッキリとしたフォルム。
あまり広くないトイレ空間の中でトイレ自体の圧迫感が軽減されること、また、継ぎ目が少ないため掃除がしやすい点もメリットとなります。
デメリットとなるのは、タンク式トイレと比較してコストが高くなる傾向にある点と、水圧に影響を受ける点です。
特に水圧が低いとつまりの原因にもなるので、高層階の場合はブースター機能付きの製品を選ぶなど、注意が必要です。
<タンクレストイレの事例>
・リノベーション事例:「relaxing」(東京都港区)
タンクレストイレを採用したS邸。背面がスッキリしているため、上部に棚をつけても圧迫感がなく、限られた空間の中にもしっかりと収納スペースが確保されています。
手洗い器は設けず、トイレを出てすぐ、トイレと脱衣室の間の壁に洗面台を設置。
オープンスペースに洗面を設けることで、トイレ内はできる限りスッキリとした空間に仕上げました。
タンク式とタンクレスのいいとこ取り?
“キャビネット付きトイレ”という選択肢
「スッキリした見た目は捨て難いけど、水圧が心配…」
「コスト的にタンクレスは難しいけどスッキリさせたい!」
そんな場合は、キャビネット付きトイレを検討してみてはいかがでしょうか。
背面についているキャビネットの中央にタンクが隠されているので、一見タンクレストイレのようなスッキリとしたデザインが実現できます。左右に扉付き収納がついているのも嬉しい点。
トイレの選択に迷った際には、ぜひ併せて検討してみてくださいね。
<キャビネット付きトイレの事例>
・リノベーション事例:「daylight」(神奈川県川崎市)
最後に
家族全員が使用する「お風呂」「洗面」「トイレ」。
家族形態やライフスタイルを考慮して優先順位を付けておくと、リノベーションの際にスムーズです。
ご自身にぴったりのタイプを見つけて、素敵な水回り空間に仕上げてくださいね。
【“水回り”に関連する記事を読む】
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よくあるご質問
Q1.お風呂をリノベーションする方法は?
A.
お風呂をリノベーションする方法には、【ユニットバス】【在来工法】【ハーフユニットバス】の3つの種類があります。防水性やデザイン性などの面でそれぞれにメリット・デメリットがあったり、規約上在来浴室を取り入れることができないケースがあったりするので、事前にしっかりと確認してリノベーションを行いましょう。
Q2.洗面をリノベーションする方法は?
A.
洗面台をリノベーションする方法には、【システム洗面台】【造作洗面台】の2つの種類があります。比較的コストを抑えることができるのがシステム洗面台のメリット。一方で、コストはかかりますが自由度の高いデザインを楽しめる点は、造作洗面台の大きな魅力となります。計画全体のコストバランスや優先順位を考慮して、どちらを選ぶか検討しましょう。
Q3.トイレをリノベーションする方法は?
A.
トイレをリノベーションする方法には、【タンク式トイレ】【タンクレストイレ】の2つの種類があります。デザインや掃除のしやすさだけでなく、トイレを設置する場所の広さや条件によっても適したトイレのタイプがありますので、総合的に判断して採用するトイレの種類を検討しましょう。