こんにちは
突然ですが、
私が大学に入り建築を学び始めた頃に体験した
忘れられない空間を紹介させてください。
2017年に東京ミッドタウンの開業10周年を記念して東京に現れた「アーク・ノヴァ」という空間です。
「アーク・ノヴァ」というのは、スイスの音楽祭「ルツェルン・フェスティバル」が東日本大震災の復興支援のために企画し、建築家の磯崎新氏と英国人彫刻家のアニッシュ・カプーア氏によって制作された移動式のコンサートホールです。
当時、大学で設計の授業を担当していた講師の方に勧められて知りました。
アーク・ノヴァは空気で膨らんでおり、
隣には大きな送風設備が備え付けられていました。
空気を抜いて折り畳むことができ、
トラックで東北の被災地にクラシック音楽を届けていたようです。
第一印象は、紫色の風船。
ただ、ものすごく大きくて、中央に穴が空いている。
当時の私はどんな感情でこの中に入れば良いのか
戸惑った記憶があります。
外から見ると紫色だったアーク・ノヴァは、
中に入ると太陽の光を受けて赤い空間になっていました。
そして外に空いていた穴は
中から見ると巨大なオブジェのように綺麗な曲線を描いていました。
一見シンプルに見える空間も外と中でこんなにも見え方が変わるのかと
ただただ圧倒されていました。
忘れられない空間体験であったとともに、
この日、自分の中での「建築」の世界が一気に広がり、
少し不安を覚えた記憶がはっきりと残っています。。
今、アーク・ノヴァはどこにいるのでしょうか。
また姿を現す機会があれば再チャレンジしてみたいものです。
それでは。