スタッフの“偏愛”をレコメンド形式でお届けする本企画。
第14回目となる今回は、スタッフが自宅で愛用している花瓶をご紹介します。
立春を迎え、暦の上ではもう春。
けれど空気はまだ冷たく、季節は冬と春のあいだにあります。
寒さの残る日々の中で、花を添えながら、少しずつ春を迎えていく。
そんな時間に寄り添うのが、花瓶という存在です。
「何を入れるか」「どう飾るか」で、その日の気分や心の状態が表れやすいアイテムかもしれません。
◾️アートピースとして
(アイテム詳細:外山翔/MINE ORE一輪挿し 8,800円(税込))
▼Recommend by アドバイザー・岡本
空間デザインを手がける傍ら、としてアート活動も行う外山 翔さんの一輪挿しを愛用しています。
“大理石に負けない、自分なりのマーブルをつくろう”という想いから生まれたは、外山さんの作品の中でもひときわ個性が際立つシリーズ。
自然素材と樹脂が溶け合うように重なり合い、ひとつとして同じ表情のない佇まいは、小ぶりでありながら空間に静かな存在感を添えてくれます。
花を生けるというより、オブジェのように。
部屋の一角にそっと置くだけで、空気が少し変わる、そんなアートピースのような花瓶です。
◾️自分で絵を描きあげるように
(アイテム詳細:マリアンヌ・ハルバーグ/チェックのかびん(FP2・seto)¥9,900(税込))
▼Recommend by アシスタントデザイナー・板垣
私が紹介するのは、マリアンヌ・ハグバーグさんの花瓶です。
まるで絵の中に描かれた花瓶が、そのまま卓上に現れたような、不思議な感覚になります。
ユーモアのある可愛らしい佇まいでありながら、こちらのシリーズは日本の伝統工芸・瀬戸焼のもの。
そのギャップも、惹かれる理由のひとつです。
よく見ると、焼き物ならではの歪みや、平たいかたちがあり、絵と造形のあいだを行き来するような、絶妙な表情をしています。

今回は、スカビオサとスイートピーを選びました。
花を選ぶときは、この花瓶を思い浮かべて、「この花が飾ってあったらかわいいかも!」と自分で絵を仕上げるような感覚になるのも楽しいです。
マリアンヌさんの花瓶のキービジュアルには、ピンクのバラがよく登場します。
普段はあまり選ばない花ですが、次はバラを添えて、マリアンヌさんの世界観にもう少し浸ってみたいと思います。
◾️空間のバランスをつくる
(アイテム詳細:うーたん・うしろ/酒呑 8,800円(税込))
▼Recommend by アシスタントデザイナー・吉住
私は、作家ものの酒器を花器として愛用しています。
酒器という小ぶりなサイズながら、有機的で独特な器の表情が花を引き立て、空間に凛とした空気が生まれるところがお気に入りです。
酒器のため間口が広く、本来は剣山などの支えが必要ですが、今回は茎や枝で支える“花留め”で蘭をいけています。
この器は存在感が強いので、あえて茎を少し長めにして、空間の中ですっと立つようなバランスを意識しました。
学生時代に生花を習っていたこともあり、仕上がりを思い浮かべながら、留め方や花を選んでいます。
この器を手がけている、うーたん・うしろさんは、元消防士という経歴をもち、現在は舞踊をライフワークとするなど、制作の背景にさまざまな生き様を感じさせる方であるところも興味深いです。

花器としてだけでなく、アクセサリー入れとして使うこともあります。
取り出すたびに、思わず触れたくなる質感に、慌ただしい時間の中でもふっと心がほどけるような気がしています。
器は、使い方を決めつけなくてもいいもの。
そのときの暮らしに寄り添いながら、これからも“自分らしい”かたちで楽しんでいきたいと思います。
花瓶特集、いかがでしたでしょうか。
かたちや質感だけでなく、そこに添えられる花の選び方にも、それぞれの想いが感じられました。
3人の花瓶に共通していたのは、「飾るため」ではなく、「気持ちを整えるため」の存在だったこと。
花瓶は、空間を彩るというより、暮らしのリズムを整えるための“小さな装置”なのかもしれません。
みなさまの日常にも、そっと季節を迎えるような、静かな彩りを添えられたら嬉しいです。