住宅メディア編集者のニノマエさんが綴る、リノベーション奮闘記。コミカルな描写が思わずクセになる、3人家族のリアルなリノベーションの様子をお届けします。
どれにしようかな
待望のプレゼンテーションの日を迎えました。息子はnuリノベーション(以下、nu)さんのオフィスに向かう道中で寝たのでほくそ笑みました。
まずは現場調査のご報告を受けました。設計上、特に大きな制限はかからないとのことで一安心です。留意事項として、給湯はセントラルヒーティングのため追焚き配管ができないこと、マンションの管理規約によりフローリング遮音等級LL-45以上を確保することなどをご説明いただきました。
ところで、nuさんはプランごとにコンセプトを設定するのですが、わが家のコンセプトは「multi」でした。
それぞれの個性やプライバシーを重んじつつ、一つ屋根の下で暮らす「おうち」のご提案だそうです。伏魔殿とかではなく、かわいらしいコンセプトで恐縮です。
そしてプランのご説明に入りました。ちなみにnuさんでは、A、B、C案の3案をご提案してくださいます。
A案は施主の要望を形にしたプランです。廊下の先にリビングとキッチン、各個室に収納が設けられています。私も夫も実際の生活をイメージしやすく、かなりしっくりきました。私のお気に入りは洗面室の約2メートルあるカウンターです。わが家は洗濯乾燥機を導入する予定なのですが、ここで乾いた衣類を畳むことを設計デザイナーさんからご提案いただきました。衣類を畳む場所という概念がこれまでなかったので、今回のご提案でパラダイムシフトが起きそうです。
B案は、設計デザイナーが施主へのヒアリングを元にブラッシュアップしたプランです。各個室に収納はありませんが、約5畳の家族共用のウォークインクローゼット(WIC)があります。また、B案ではキッチンとダイニングテーブルが一体で、スムーズな家事動線や省スペースを実現している点がスタンディングオベーションです。
C案は設計デザイナーが施主の期待を超えることを目指したプランです。玄関の正面にリビングが広がり、開放感のあるプランとなっています。こちらも各個室に収納はありませんが、約5畳の家族共用のWICがあります。3案の中で最も個性的で、リノベらしさを感じました。
どのプランをベースとするか悩ましいですが、各個室に収納がありプライバシーを確保している点や、最も生活イメージがしやすい点によりA案に決めました。
また、デザインの方向性を決めるためパースも3案ご提案いただきました。
A案は濃いグレーの床が空間を引き締めているスタイリッシュなプラン、B案は薄いグレーや白で空間をまとめたさわやかな雰囲気のプラン、C案は薄いグレーと白の2トーンカラーの壁がユニークなプランです。どのプランもすばらしく、全プランを実現したいところですが、シンプルでスタイリッシュなA案を選びました。
この日は設計デザイナーさんたちから類まれなご提案を繰り出されて、大変濃い一日となりました。次回の打合せから具体的なプランの話を詰めていきます。
文:ニノマエ