
素材の表情を張り分けた、職人の技術が光る空間。2回目のリノベーションで手に入れた住まいには、家族3人のにぎやかな時間が流れていました。

やっぱり2回目も
9年前に一度、nuリノベーション(以下nu)で中古マンションをリノベーションしたTさん。その家に不満はありませんでしたが、息子さんが生まれたことで手狭になり、収納も足りなくなったことから、より広さのある家への住み替えを決意したそうです。
「1回目のリノベが楽しくて、もう1回やりたいという気持ちはずっとあったんです。1回目のときもそうでしたが、自由に家づくりできるのがリノベの魅力ですし、もともと新築の決まった間取りは面白くないと思っているので、やっぱり今回もリノベだよねって。それで、1回目に担当してくれたnuの設計デザイナーさんに連絡して…」と、奥様は振り返ります。
近年の物価高騰で家づくりを躊躇する人が多い中、Tさんが2回目のリノベーションに踏み切れたのは、1回目の物件が都心にもアクセスしやすい川崎エリアで立地が良く、売却できる確信があったから。「確かに建材や住宅設備の価格が上がっているし、予算への不安は無かったわけではありませんが、nuのアドバイザーさんからも『良い価格で売れると思いますよ』と背中を押していただいたので、なんとかなるかなと思って」と、ご夫婦は笑います。
アドバイザーと共に中古物件探しをはじめ、5~6ヶ月かけて10軒ほどを内見。この築24年・78.20㎡の物件に決めたのは、長男が来年小学校に上がることを見据えた際に、以前の住まいと同じ学区内である点に大きな安心感があったからです。加えて、大きな窓からの眺望の良さや、家族3人で暮らすのにちょうど良い広さ、コンビニや薬局が近く買い物に便利な立地も決め手となりました。
「相変わらずnuのスタッフさんはコミュニケーションのテンポが良かったですし、内見も遠い中わざわざ来てくださって助かりました。今回も前回同様、キッチン周りをオープンにして広くしたかったので、不要な壁を抜けるかを重点的に確認してもらいました」と、奥様。
こうして、安心感の中でTさんの2回目のリノベーションが始まりました。

大胆で、繊細
今回Tさんが望んだのは、広々としたLDKで家族の会話を楽しめる暮らし。前回同様に開放感のある間取りは必須条件で、加えて、週末に来てくれるお母様用の客間と子ども部屋を兼ねた空間、ご主人用のワークスペース、前回より収納量のあるファミリークローゼットも必要でした。
そこで間取りは、2LDK+ワークスペース+WICで、ほぼ正方形のLDKを中心にした大胆な回遊動線に。内装は前回の住まいとはテイストを変えたいという要望から、表情の異なる3種の素材をバランスよく張り分けるユニークなデザインに仕上げました。
リビングはオークフローリング、ダイニングはオーク材のヘリンボーン張り、キッチンは塩ビタイルで、それぞれの空間を緩やかにゾーニング。ダイニング・キッチンの天井と壁は深みのある木目調、その他の空間は白のクロスで、スッキリ感と温かみのコントラストを表現しました。
オープンキッチンはアイランド型で、バイブレーション加工のステンレス天板と3口コンロを採用。BOSCHのフロントオープン食洗機も入れて、共働きのご夫婦の家事ラクを実現しました。キッチン横の壁面にはパントリーを造作し、ウッドシャッターの建具で木の質感を楽しめるように。構造上撤去できなかったキッチン前の柱は、グリーンのタイルを張ることで、LDKのアイキャッチに。シャープな長方形タイルの縦張りは、実際よりも天高を高く感じさせてくれます。

ご主人のワークスペースは、3.4畳とコンパクトながら、機能性の高い個室に。オンライン会議のときに生活感が出ないよう、背後の壁一面をスタイリッシュな可動棚にしました。
床には塩ビタイルを採用し、木を基調としたLDKとのコントラストをつけることで、気持ちの切り替えができるように。「会議中も家族の声が全く気になりませんし、集中力が上がりましたね」とご主人は頷きます。
客間を兼ねた子ども部屋は4.3畳で、おもちゃや絵本をすっきりとディスプレイ収納。扉を開け放てばLDKと一体となり、シーンに合わせて使い方を柔軟にアレンジできます。子ども部屋の床材にはブラックチェリーを採用し、落ち着いた雰囲気を演出しました。
4.4畳の寝室には、デザイナーの提案でガラスブロックを採用。LDKからの目線を緩やかに遮りつつ、LDKからの自然光をやわらかく取り込みます。「朝起きるときにちょうどいい明るさで、気持ちよく目覚められます」と奥様。
寝室の隣には、壁面に沿った5.0畳のファミリークローゼットを設置し、以前の家の1.5倍程度の収納量を確保しました。ご主人のこだわりで、基本的に洋服は掛ける収納に。布団、季節家電、普段は履かないスニーカー、たくさんあるApple製品の箱など、あらゆるモノを余裕で収めています。
洗面台は白タイルで造作し、丸ミラーをご夫婦それぞれの身長に合わせて取り付けて、遊びの効いた空間に設えました。トイレはグリーンのアクセントクロスで爽やかに。玄関は取り入れたかったモルタルの床にするなど、様々な素材と色味を散りばめました。

じゃあ、今日は家で
この家に住んで5カ月。暮らしの変化でまず挙がったのは、収納量が増えて散らかりにくくなったこと。以前はリビングに置かれていたおもちゃも、子ども部屋ができたことで自然と片付くようになったといいます。取り入れて特に良かったのは、内窓。夏は外の熱気が入りにくく、冬は冷気を遮断してくれるので、エアコンの効きが良く、短時間稼働するだけでも快適な室温が保たれるそうです。また、ダイニングとリビングの床にコンセントを忍ばせたことも良かったポイント。全体的に、デザイン性・快適性・利便性の全てが両立しているようです。
休日は外出することも多いものの、「家で過ごす時間が確実に増えました。広いリビングで息子がのびのび遊んでいる姿を見ると『じゃあ、今日は家でいいか』って(笑)」と、ご主人。息子さんはクローゼットでかくれんぼできることが嬉しくて、よくダンボールに入って遊んでいるそうです。
最後に、今回のリノベーションの総括を伺うと…。
「相変わらずnuさんは安心感がありましたし、打合せの際は子ども用にプレイエリアを用意してくれて助かりました。デザイナーさんと共にアシスタントの方も打合せに参加してくださり、自分たちでは考えつかないアイデアをたくさん出してくれて、選択の幅が広がって楽しかったです。これからリノベする人には、予算は限られていても、まずは希望を全部伝えてほしいですね。そこはnuさんが上手く調整しながらまとめてくれるので」。
今後の展望は、まだ手を入れていない玄関ポーチとバルコニーを上手く使っていくこと。人生の最後は平屋に住みたいので、今から3回目のリノベーションに思いを馳せていると言います。Tさんのリノベーションライフは、まだまだ終わらないようです。

Interview & text 安藤小百合