ずっとあこがれていたブルーグレーのアクセントカラー。北欧を連想させるその優しい色を合わせた扉が、お二人の思いの詰まった空間への入り口です。真っ白な”Palette”のような空間にお気に入りのインテリア、素材、色を重ね合わせたW夫妻のオリジナルカフェテリアが完成しました。
自分らしさでイロドル暮らし
埼玉県川口市。マンションと戸建住宅が混在し、近くに川が流れるのどかな場所にWさんのお宅があります。ご主人は会社員、奥様は保育士のお仕事をしています。以前も同じ川口で賃貸暮らしをしていたそうですが、昨年の10月マンションの更新を前に一度暮らし方を見直すことになりました。このまま賃貸に住まうという方法もありましたが、何よりも以前からDIYにはまっていたW夫妻。壁に穴を開けたり、塗装ができない賃貸では何か物足りなさを感じていました。「予算内でDIYを楽しめる家を手に入れる方法はないか?」と模索していた時、ハウスメーカーに勤め、仕事柄住宅知識が豊富だったご主人が中古マンションを買ってリノベーションするという方法を奥様に提案。奥様もリノベーション雑誌やHPなど見るうちに興味が湧き、W夫妻はリノベーションをすることに決めました。まずネットで4社ほどリノベーション会社をピックアップし問い合わせをしたお二人。その中でも一番レスポンスが早かったのがnuリノベーションでした。その後HPに掲載されていた「個別無料相談会」に参加。本格的にリノベーションについての話を聞いたといいます。自分達でドアノブから床材まで素材を選べること、打ち合わせ回数が無制限なこと、そしていつもスピーディーに対応してくれるnuアドバイザーに惹かれnuでリノベーションすることを決めました。リノベ会社が決まれば次は物件探しです。物件を探す時に譲れなかった条件は2つ。1つめは奥様の実家と職場から近い川口にあること。2つめは広々としたリビングでゆったりと時間を過ごしたいという思いから60〜80㎡の広さがある物件ということでした。この条件をもとにnuアドバイザーと一緒に半年程物件を探し、最終的には4件まで絞り込み内見をしました。4件とも条件に当てはまっていましたが、その中でも今住んでいるこちらの物件が希望の予算に一番近く、また内見時に「こんにちは」と挨拶してくれた住民の方の雰囲気が良かったこと、オーナーの方が物件についてとても親切に説明してくれたということから、「こんなにコミュニティがしっかりしているマンションはない!」と思い、最終的に築30年、63.18㎡の物件を購入することに決めました。
ブルーグレーに誘われて
カフェを巡るのが好きだというW夫妻。特に木をたっぷり使った北欧のカフェのようなテイストを家にも取り入れたいと考えていました。また、お二人がどうしてもはずせなかったのはブルーグレーのアクセントカラー。北欧を連想させるこの色はどうしてもゆずれない要素でした。そんなお二人にデザイナーが提案したコンセプトは「palette」。まっさらなパレットのような空間に素材、色、お気に入りのインテリアでアクセントをプラスしていく、そんなお部屋をイメージしました。そして出来上がったのは、躯体現しの天井、LDの床には温かみのある無垢オークを張り込んだ、どこか優しさが感じられる1LDK+WIC。お二人がどうしても取り入れたかったブルーグレーは、LDと廊下を仕切るドアに塗装しました。アンティークのドアノブと大きめのガラスを合わせて光が全体に行き渡るようにした造作ドアは、お二人のお気に入りです。その先に広がるLDで一際目を惹くのはオープンなキッチン。腰壁に貼ったガラスモザイクのタイルがとても印象的です。「これは僕のこだわりなんです。以前訪れたアパレルショップのカウンターが同じようなタイル貼りのデザインで、一目惚れしてしまって。将来キッチンを造るなら絶対このタイル貼りにしたい!とずっと思ってたんですよ。」とご主人。そんなご主人はお料理がとっても得意!土日はパエリアなど手の込んだ料理を奥様に振る舞うんだそう。そんなキッチンの後ろには木のバックカウンターを造作し、隣には同じ木で合わせたワークスペースが続きます。その上部にあるのは無垢材と黒のアイアンを合わせた飾り棚。実はこれ、W夫妻がDIYで取付けたのだそうです。以前のお住まいで使用していた棚板を、今の優しいお部屋の雰囲気に合わせるため、わざわざ濃い色味の部分を削るという手の込みよう。お二人のDIYにかける情熱が感じられます。さらに、その隣の流木を組み合わせた写真掛けもお手製です。お二人の結婚式の写真、昔訪れた海外の写真、ご主人が撮影した奥様のモノクロ写真など、思い出の数々が飾られています。そしてリビングの中央にある一枚の化粧壁はW夫婦ならではのもの。保育士の仕事をされている奥様は家で電子ピアノの練習をすることがしばしばあります。「電子ピアノはリビングに置いて、すぐ練習できるようにしておきたい!でもリビングの雰囲気に合わない電子ピアノはなるべく隠したい。」そんな思いをデザイナーが汲み取り提案したのが、一枚の化粧壁を取付けることでした。こうすることで視覚的には電子ピアノを隠しつつも、空間的にはリビングとひとつながりなので開放的な造りになります。またこの壁は“隠す”という役割以外にも“魅せる”役割も担っています。白壁があることで太陽の形をした特徴的な時計や、木のキャビネットが一層際立って見えます。「最初は色でアクセントをつけるかどうか迷いました。そんな時、デザイナーの方が何度も3Dでシミュレーションしてくれて、部屋全体のバランスから白はどうかと提案して頂きました。空間がスッキリ見えるので選んで正解でした。」とお二人はにっこり。実はお部屋のデザインを決める時に一番悩んだのが、色の選定だったそう。コンセプトのように色を全体に散りばめたいという思いはありましたが、2人だけではなかなか色のバランスを考えるのが難しかったと言います。そこでデザイナーからも様々な色味や組み合わせを提案し、3人で丁寧に時間をかけて色を選びました。開放感を出すために玄関の壁に取付けた内窓も最初はネイビーで塗装することを考えていたそうですが、デザイナーの提案でお部屋の優しい雰囲気に合わせるため、ナチュラルなカラーを選びました。素材、お気に入りのインテリア、そしてこだわり抜いた色がシンプルなパレットの中でより一層際立って見えます。
塗り重ねていくメモリー
リノベーション後初めて家に足を踏み入れたお二人。ブルーグレーの扉を開ける時すごくワクワクしたと言います。「キッチンの仕上がりに感動したことをとてもよく覚えています。サンプルで見ていたガラスモザイクのタイルも腰壁一面に貼ると、より一層美しく見えました。」とご主人。そんなご主人はリノベ後、お部屋のあまりの居心地の良さに以前よりも早く家に帰ってくるようになった、と奥様が嬉しそうに話してくれました。時間があるときはDIYを楽しみ、最近ではグリーンを飾るために、流木を合わせたマクラメハンギングを作ったのだそう。そんなお二人に「今一番幸せを感じる瞬間は?」と質問すると「2人で作った料理を一緒に食べてる時かな。普通なのかもしれないけど、そんな何でもない時間こそ幸せだな、大切にしたいなって感じるんです。」そう話しながらダイニングテーブルで向かい合って座るお二人はとても幸せそう。もうすぐ生まれるお子様と三人でこのダイニングを囲みながら、嬉しい事、楽しい事、たくさん語り合って、幸せなリノベ生活を送られている姿が目に浮かびます。これからは3人でこの”パレット”を好きな物で飾り付け、そしてたくさんの思い出で塗り重ねていくことでしょう。