タイルやフローリングは、基準となるラインから張り広げていきます。
ですが、壁の出っ張りや柱、建具との取り合いによって、どうしても“半端”な寸法が生まれる場所があります。
その形に合わせて材料を細くカットし、一枚ずつ納めていく。
わずかなズレも歪みとして現れてしまうからこそ、基準線と隅を整えることが重要になります。

■基準をとるということ
決められた範囲に対して、中央を基準とするのか。
素材の切り替わるラインを基準とするのか。
その意図を図面から読み取り、現場に線を引いていきます。
フローリングもタイルも、最初の一枚が合っていればいいわけではありません。
全ての部材が組み上がって、はじめて一つの面として成立する。
だからこそ、張り始めから張り終わりまで、どの一手も油断することはできません。

■実寸法と余白
幅12cmのフローリング、30cm角のタイル。
部材には“規格サイズ”というものがありますが、その一つひとつにはわずかな寸法差や個体差があります。
また、部材同士を突きつけて張り進めていく場合にも、床のたわみや素材自体の暴れを想定し、等間隔に隙間を開けて施工していく必要があります。
図面上では1本の線でも、
リアルな寸法においては、その直線の上に様々な工程や納まりが絡んでくる。
現場で“割り付ける”ということは、そうした寸法差や余白を見極めながら、ラインを整えていく作業でもあります。
■隅の精度
張り進めていくと、ほとんどの場合に、真物(規格サイズのまま使用するタイル)では納められない箇所が出てきます。
壁とぶつかる場所。素材が切り替わる場所。
スパンと単純にカットできる場合もあれば、一部を切り欠いて微調整することもあります。
あらゆる素材、あらゆる状況と向き合い、納まりを整えていく。
それが隅であっても、精度へのこだわりに違いはありません。
空間の隅や、平面を構成するラインは、暮らしの中で思いのほか視線に入るものです。
ふとした瞬間や、掃除のとき。
そんな時に、ラインの揃った納まりに気づく。
それは派手ではありませんが、日々の心地よさを静かに支えてくれています。