空間づくりの要!建具の種類いろいろ 扉編
建具とは、部屋と部屋をつなぐ開口部に取り付けられる仕切りの総称。ドアや窓、ふすまや障子などを指します。1日に何度も手が触れるだけでなく、部屋全体の印象を左右する建具は家づくりにおいて重要なパーツ。今回は『扉』について詳しく解説します。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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ドアのいろいろ、開き戸と引き戸
リビングなど大きな部屋を仕切る場合には、前後に開閉する『開き戸』か、ふすまのように左右に開く『引き戸』を選択するのが一般的。間取りや部屋の構造によって選択できるタイプが決まってしまう場合もありますが、そうでない場所では用途や使う人にあった扉を選ぶことが重要です。
・開き戸のメリット
1. 場所を選ばずに設置できる
開き戸の特徴は扉1枚分のスペースがあればどんな場所でも取り付けられること。左右の壁のことを考慮する必要がないので、スイッチプレートやコンセント、装飾など自由に設置することができます。
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こちらはドアのすぐ横に内窓を設けた事例。ドアと窓、それぞれのフレームのラインを揃えることですっきりとした印象に。ちなみにドアの横にあるスイッチプレートは左利きのお施主様のため、あえてドアの左側に設置されました。
2. パーツの種類が豊富
(ROUGH×VINTAGE)
ドアノブやハンドルなど、金物の種類が豊富なのも開き戸のいいところ。こちらの事例では既製品の無垢レッドパイン材のドアとアメリカのKwikset社のドアノブを組み合わせています。
3. デザインの幅が広い!
既製品でイメージに合うものがなかった場合でも、リノベーションではオリジナルで理想の扉を製作することができます。
SIMPLE×北欧MANIA
こちらは落ち着いたグレーと木の押し板が優しい印象の開き戸。お部屋の中でもメインになるリビングのドアは他の箇所よりもこだわりたい!とフルオーダーで製作しました。
・開き戸のデメリット
1. 前後のスペースにゆとりが必要
開き戸を設置するときに確認したいのが、ドアを開いた先にゆとりがあるかどうか。幅の狭い廊下でドアを開けたら通った人にぶつかってしまった、なんてアクシデントも想定できます。また扉が密集する場所では開けたときにお互いが干渉しないかどうかなど、考えながら設計する必要があります。
2. 開閉の音がきになる場合も
生活の中で意外と気になるのが開け閉めの際の音。既製品では扉がゆっくり閉まる装置がついているものも。お子様のいるご家庭などでは検討してみるのもいいかもしれません。
・引き戸のメリット
1. 開いた状態でもすっきり
NATURAL×KITCHEN
引き戸のメリットは、開いた状態でも扉の存在が邪魔にならないこと。玄関からリビングまで直結のこちらのお部屋では、境目に引き戸を設けることで空間を仕切っています。
扉にはすりガラスを採用し、和モダンな雰囲気に。急な来客でも視線を遮ることができます。
2. 誰でも簡単に使える
エッセンス
引き戸と開き戸をうまく組み合わせているのがこちらの事例。リビング内に入口があるお施主様のお父様のお部屋には、開き戸よりも開け閉めが簡単な引き戸を採用。バリアフリーの観点からは引き戸がオススメです。
・引き戸のデメリット
気密性・防音性が低い
引き戸のデメリットは気密性・防音性が低いこと。構造上、上下に隙間ができてしまうため、開き戸に比べるとエアコンの効きが良くなくなったり、音が漏れやすくなる場合があります。
最後に
お部屋の「顔」とも言える扉。1日に何度も手が触れる場所だからこそ、お気に入りのデザインで使用感にストレスのないものを選びましょう。