
部屋の印象は床で9割決まる?空間にあった床材の選び方
インテリアよりももっと部屋全体の印象を左右するのは、実は床材。今回は代表的な床材の特徴を、実例を交えてご紹介します。

物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
著者の詳しいプロフィールはこちら
床材の種類、いろいろ
まずは主な床材の種類をご紹介!
・フローリング:言わずと知れた木材の床のこと。大きく分けて無垢フローリングと複合フローリングがあります。
・タイル:材質によって印象や用途が大きく異なるタイル。一般的に耐久性に優れているため、水回りに用いられることが多い素材。
・モルタル:nuリノベーションでも人気の素材。コンクリートのような風合いの左官材です。
・カーペット:クッション性があり、滑りにくいカーペットは子供部屋やお年寄りのいるご家庭にもぴったり。
無垢フローリングと複合フローリング
無垢材とは、原木から必要な長さで切り出しそのまま製材した木材のこと。気温や湿度によって木が伸縮し隙間や反りが発生することもありますが、天然素材だからこその風合いと肌触りを感じることができます。対して複合フローリングはベニヤの表面に薄くスライスした無垢材を貼り付けたフローリングのこと。無垢フローリングに比べてコストカットになるだけでなく、傷や汚れに強いといったメリットもあります。
・無垢フローリングを取り入れた事例
リノベーション事例:Private Dining
ヘリンボーンで仕上げた無垢マホガニーの床。赤みがかった茶褐色の色合いを100%楽しめるのは無垢材だからこそ。造作のダイニングテーブルも床材と色のトーンを揃えてつくられました。
・複合フローリングを取り入れた事例
リノベーション事例:本屋と食堂
ラジアータパイン合板を正方形に張り込んだリビング。特徴的な張り方ですが、合板ならコストを抑えて実現することができます。ベニヤで造作した大きな本棚やコンクリート現しの天井と床のラフな雰囲気がぴったりマッチしています。
磁器質タイルとPタイル
石英・長石と粘土を合わせて焼き上げた磁器質タイル。吸水性がほとんどないこととその硬さが特徴で、軽く叩くとコツコツと音がします。耐久性はどの床材よりも優れていて、メンテナンスが容易なことも特徴です。
Pタイルは、プラスチック樹脂を原料とする薄い板を30cmの正方形に加工した床材のこと。店舗や学校など土足で歩く場所にも使われる頑丈です。色や柄がとにかく豊富で、nuではキッチンなど水回りの床で人気の素材。
・磁器質タイルを取り入れた事例
リノベーション事例:365DAYS
愛犬と暮らすこちらのお宅。リノベをする前の住まいでは、愛犬がフローリングの上を滑って上手く歩けず苦労していたんだそう。そんな背景から選んだ磁器質タイル。グリップが効き滑らないだけでなく、夏はひんやり、冬は床暖房でポカポカです。ワンちゃんのためにインテリアも最小限に留めたというこちらのお宅ですが、グレーのタイルがそれだけでシックで上品な印象を演出しています。
・Pタイルを取り入れた事例
リノベーション事例:easy&cozy
小さなお子さんがいるこちらのお宅では、キッチン・ダイニングとキッズスペースをPタイルで仕上げました。お掃除が簡単で、元気一杯のお子さんも自由にお絵描きや粘土を楽しむことができます。
モルタルとモールテックス
コンクリート風の質感を薄塗りで再現できる左官材、モルタル。nuのお客様の中には、これまで一般的に使われることが多かった玄関・土間以外にリビング全体をモルタルにする方も増えています。モルタルの弱点は、ヒビ割れを起こしやすいということ。それ自体を味として楽しむこともできますが、できればヒビは避けたいという方にオススメなのがモールテックスという左官材です。モールテックスはモルタルの成分に加えて特殊な樹脂が配合されており、柔軟性や強度、防水性がはるかに優れています。しかしその分費用はモルタルの約2倍。実現したいイメージとコスト感のバランスを見て取り入れたい素材です。
・モルタルを取り入れた事例
リノベーション事例:MORTAR POT
思いきってワンルームの床全面に敷いたモルタル。無機質で荒っぽい質感だからこそ、グリーンの生き生きとした表情が美しくみえます。時間とともに生まれた小さなヒビにも愛着が湧きそう。
・モールテックスを取り入れた事例
リノベーション事例:SIMPLE×モルタル
20畳のリビング全体をモールテックスで仕上げた事例。あえて程よいムラを残して仕上げ、無機質な中でも表情を感じさせる仕上がりに。コンテンポラリーなインテリアが抜群に似合う空間です。
カーペット
ホコリがたまりそう、掃除が大変そうなどちょっとネガティブなイメージもあるカーペット。しかし実際に歩いてみると、しっかりと踏みしめることができるその感触に懐かしいような安心感を覚えます。
主に使われるのは寝室やキッズスペースなどの、プライベートな空間。床座でくつろげるカーペットの空間は、一緒に過ごす家族やお客さんとの距離感もぐっと近くしてくれます。
・カーペットを取り入れた事例
リノベーション事例:住むアトリエ
円柱型のWICがあるこちらの物件。そのWICに沿うようにリビング兼アトリエを作りました。そこからつながるベッドスペースまで全てカーペットを敷き、よりリラックスできる空間に。
最後に
見た目の印象だけでなく、その踏み心地や質感によっても住む人の気分を大きく変える床材。常に体が触れる唯一の場所だからこそ、部屋の用途や演出したい雰囲気に合わせて床材を選びましょう。
関連記事
家づくりに活かそう!実例から学ぶ壁材がもたらす効果
タイル、目地、いろいろ
無垢フローリングって何? 種類によって見た目や質感はどうかわるの?