バーカウンターのある家5選 | 日常に馴染む“距離の近い”キッチンとは
“バーカウンターのある家”と聞くと、少し特別な、大人のための空間を思い浮かべる方も多いかもしれません。
ですが近年、住まいの中では「料理する人とくつろぐ人の距離を近づけたい」という想いから、対面型のカウンターキッチンに注目が集まるようになりました。
さらに、そこに“食事”や”コミュニケーション”という用途が重なり、キッチンのそばに人が集えるカウンターが、暮らしの中心として機能する住まいが増えています。
本記事では、そうした「人と人を近づける意図」から生まれたカウンターを、バーカウンター的な体験価値を生む空間として再定義。
日常に自然と馴染む、バーカウンターのある家とその魅力をご紹介します。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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暮らしに合わせたバーカウンターのある家
自宅にバーカウンターをつくる場合は、主な用途や好みの雰囲気に合わせて、様々なテイストやつくり方があります。
バー気分を思い切り味わいたい人へ
少し背筋が伸びるような、心地よい緊張感のある空間。
週末や夜に、家族や仲間と何時間も過ごしていたくなる空間。
そんな非日常を自宅で味わえるのが、バーのような佇まいを持つカウンターです。
リノベーションなら、空間の雰囲気に合わせて素材や意匠をつくり込むことも可能です。
・リノベーション事例:「SIMPLE×melt」(東京都港区)

以前訪れたビアバーに着想を得て、一枚板のカウンターを造作したK邸。
普段は在宅ワークや軽食の場として、夜は家族が寝静まった後にお酒を楽しむ、自分だけのバーとして。様々なシーンで活躍しているそう。
「本当にバーで飲んでいる気分になるくらい心地がいいです」とご主人も嬉しそうに話します。

バーの雰囲気を引き立てているのが、お酒やグラスを飾るためのオープンな造作シェルフ。クラフトビールの空き瓶やグラスを並べ、見せる収納として楽しんでいるそう。
吊り棚の底板には調光式の照明を埋め込み、時間帯や気分に合わせて様々な表情をつくり出します。
《設計ポイント》
・カウンター高さ:90cm
→ハイスツールと合わせて、視線が自然に合う高さ
・形状:L字
→キッチンの長辺+短辺を囲い、複数人が集えるレイアウト
・照明:間接照明
→シーンに合わせたムードを楽しめる
・収納:吊り棚
→お酒のボトルを意匠的にしまえるオープンな造作収納
家族で使う“日常の場”としてのバーカウンター
食事や会話を楽しんだり、お子さんの成長を見守ったり。
バーカウンターは、家族の時間が自然と集まる”日常の場”にもなります。
バーカウンターというと、ハイチェアを合わせて使う空間を思い浮かべる方も多いかもしれません。
ですが、天板の高さを調整することで、年齢を問わず安心して座れる高さの椅子を合わせることもできます。
料理をする人の動線や、座る人との距離感まで考えたレイアウト。
毎日使う場所だからこそ、そんな心遣いを設計デザインに込めることも大切です。
・リノベーション事例:「Booklyn」(神奈川県川崎市)

キッチン背面の壁一面に貼ったブリックタイルが、隠れ家バーのような雰囲気を引き立てるT邸。
LDKの中心に、アイランドキッチンと一体になったダイニングカウンターを造作しました。
カウンターは、ダイニングチェアと合わせて使える高さに。
一つひとつデザインの異なるチェアが、空間に彩りを加えています。

L字のダイニングカウンターは、キッチン側にも一人分の席を用意。
料理をする人も、合間に腰をかけて団らんに参加できるレイアウトです。
友人を招いて、テーブルを囲んでお酒を飲んだり軽食を楽しんだり。
日常にも、特別な日にも寄り添う空間になりました。
《設計ポイント》
・カウンター高さ:75cm前後
→ダイニングチェアと合わせられる高さ
・形状:L字
→キッチン側にも1人分の席を設け、料理する人も合間に腰掛けられる
・照明:ペンダントライト+スポットライト
→配線系統を分け、シーンに合わせて明るさを調整
・意匠:ブリックタイル
→バーのような雰囲気を引き立てるヴィンテージ感を演出
バーカウンターキッチンでできること

ここまでご紹介してきたのは、“非日常を楽しむ場所”としてのバーカウンター、そして“日常に寄り添う場”としてのバーカウンター。
そのどちらにも共通しているのは、人が自然と集まり、時間を共有できる場所だということです。
忙しい朝は、さっと朝食をとりながら家族のスケジュールを確認しあう場に。
夕食の支度中や、ホームパーティのときには、キッチンのまわりに人が集い、何気ない会話が始まります。
在宅ワークや、お子さんの勉強を見守る時間にも。
“食事の場”を超えて、 バーカウンターは暮らしの“中心地点”になってくれる存在です。
“距離の近い”バーカウンターキッチンの魅力

このように、バーカウンターキッチンの最大の魅力は人と人の距離が自然と近づくことにあります。
料理をする人と、食べる人。
家族と、友人と。
対面する時間が増えることで、何気ない会話や、ふとした気配が、暮らしの中に重なっていきます。
自宅バーカウンターは、日常にそっと温かなアクセントを加えてくれる空間です。
とっておきのバーカウンターのある家 3選
ここからは、特に「お酒を楽しむ時間」を大切にしながら空間が計画されている、“自宅バー”のようなバーカウンター事例をご紹介します。
事例1 | ワインを楽しむ大人のバーカウンター
・リノベーション事例:「LUXE」(東京都世田谷区)

スポーツ観戦とドラマ鑑賞、そして料理をして食べ飲みすることが夫婦共通の趣味だと言うOさん。
そんな時間を存分に味わうために、キッチンと一体の半円テーブルを造作し、ハイスツールを置くスタイルとしました。

テーブルはキッチン・ワインセラー・テレビの動線を結ぶ中心に配置しています。
事例2 | ダイニングを隣接させたオープンな対面キッチン
・リノベーション事例:「ROUGH×CROSS」(神奈川県川崎市)

“お酒を楽しめる家”にしたいと希望していたSさん。友人を招くことも想定し、約20Jの広々としたLDKに、スタイリッシュなアイランドキッチンを設えました。
S邸ではバーカウンターは造作せず、ダイニングテーブルをキッチンに隣接させてレイアウト。お酒専用のワゴンをテーブル横に持ってきて、ゆったりとお酒を楽しんでいるのだそう。
事例3 | まるでお店のような、本格的な自宅バーカウンター
・リノベーション事例:「VINTAGE×Bar」(東京都港区)

お仕事終わりにはご自宅で晩酌を楽しむのが日課のMさん。
腰壁はモルタルを薄塗りし、バーカウンターの天板には木を採用。小口をブラックのアルミ素材でフレーミングしたのはデザイナーからの提案だったそうで、お二人のインテリアとの相性も抜群です。

リキュール瓶を飾れるように、背面に棚をつくることも予めリクエスト。
ご自宅にバーカウンターがあることで、家で過ごす時間が増えたと嬉しそうに話します。
バーカウンターのある家をつくる時のポイント
改めて、自宅のリノベーションでバーカウンターをつくる際のポイントをおさらいしておきましょう。
細かな寸法や仕様は空間ごとに異なりますが、考え方の軸を知っておくことで、打合せの際にイメージの共有がスムーズになります。
□高さの選び方
バーカウンターの高さは、ダイニングチェアを合わせて使うのであれば70〜75cm前後、ハイスツールを合わせるのであれば90cm前後に設定しましょう。
□形状の選び方
I字・L字・半円形など、様々なバリエーションがあります。
物件的な条件、バーカウンターとキッチンの関係性、何名ほどで囲めるカウンターにしたいのかなど、様々な視点から検討しましょう。
□照明計画のコツ
時間やシーンによって雰囲気を変えられるよう、調光タイプを選ぶのがおすすめ。在宅ワークや勉強などにも使う場合は、スポットライトなど照度が十分確保できるものも付けておくと安心です。
□収納と意匠の工夫
自宅バーの雰囲気を楽しむのであれば、お酒のボトルやオーナメントなどを飾れるオープンシェルフがおすすめ。部分的にクローズにできる収納も備えておくと、細々としたものをしまえて、生活感のない洗練されたインテリアを楽しめます。
最後に
バーカウンターは、特別な人のためのものではありません。
大人の時間も、家族との会話も、暮らしの中の“いい時間”をそっと支える場所。
形ではなく、過ごし方から考える。
自由な発想でつくりあげるバーカウンターを、あなたの家にも取り入れてみませんか?
nuリノベーションでは、暮らし方から考えるキッチンリノベーションのご相談も承っています。
「バーカウンターのある家」を実現したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。