nuスタッフの小西が住まい手として、創り手として。
自宅リノベで気づいたことや、細部がもたらす心地よさを、全10話で綴っていきます。
[INDEX]
第9話では、寝室についてお話ししました。
今回は最終話。
これからの暮らしに向けて、今考えていることを綴ってみます。
・余白を楽しむ
今の家に、とても満足しています。
けれどそれは「完成した」という意味ではなく、
「これから先も変えられる余白がある」という安心に近い感覚。

リノベで私たちが選んだのは、
すべてを決め込むことではなく、変化に対応できる余白を残すことでした。
たとえば寝室。
今は広々としたひとつの空間だけれど、
子どもたちの成長に合わせて二部屋、工夫をすれば三部屋に分けることもできます。
壁で仕切るのか、段差や造作家具でゆるやかに分けるのか。
あるいはリビングに夫婦の寝室スペースをつくり、
今の寝室を大きな子供部屋にするのか。
仕切り方ひとつで、こんなにも選択肢があってワクワクするのは、
潔く不要な線を排除して生まれた余白のおかげです。
やがて再び二人暮らしに戻るときには、
今の家で広々暮らし、子どもたちが帰省するときの居場所を残しておくのもいい。
あるいは住み替えて、もっとコンパクトにリノベを楽しむのもいい。
・新たな目標
今回のリノベでは、
子育てを前提としたために採用しなかったプランや素材も多くあります。

例えばヌックや造作家具。
とにかく死角をなくしたかった今回のリノベでは見送ったけれど、
ヌックはいまだに私の憧れの空間です。
絵を描いたり字を書いたり、
好きなことに没頭できる秘密基地のような空間をつくってみたい。
配置が固定される造作家具もつくらなかったけれど、
キッチンと一体になったダイニングテーブルや、
床を押し上げてできたような造作ソファなど、シームレスなデザインにも挑戦してみたい。
だから、大人になった自分たちがもう一度リノベをするのは目標でもあるのです。
・空間の質を上げるための細部の判断
ふと家でくつろいでいるとき、
すんとした静寂や深呼吸をしたくなるような空気が漂います。
こうした心地よい暮らしを支えてくれているのは、実はひとつひとつの細部でした。
「なんか違う」という小さな違和感があると、
どうしても心が騒ぐような感覚になり、すんとした静寂や心地よさは得られません。
その「なんか違う」という小さな違和感は、細部に存在しているのだと思います。
床材や塗装の選び方は暮らしの大きな土台となり、
素材や色味の小さな違いがそっと自分に寄り添ってくれて暮らしの質が上がる。
小口や面一、面落ちの納まりひとつでデザインの強弱がつき、纏う印象が変わる。
潔く余分なものを削り、細部を整えることで「静寂」の空気が漂い心に落ち着きをくれます。
そこに自分の好きな要素やインテリアをちょこっと加えることでときめいたりワクワクしたり「刺激」を楽しむことができます。
静寂の中にちょこっとの刺激があるからこそ、「自分らしさ」や「愛着」が生まれるのだと感じます。
小さな判断の数々が、心穏やかで自分らしい暮らしへとつながっています。

リノベは竣工するまでのプロセスもワクワク楽しいものだけど、
本当に面白いのは暮らし始めてからなのだと改めて気づきました。
細部までこだわってつくったからこそ見えてくる愛着や次への展望。
これからも日常に潜む細部のこだわりを味わいながら、
暮らしを楽しんでいきたいです。
・これからも「日々、描く。」
私たちの家づくりは、これで一区切り。
けれど「日々、描く」という姿勢は、これからも変わりません。
細部に宿る質を見つめながら、また新しい余白を描いていく。
その繰り返しが、暮らしを豊かにしていくのです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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