こんにちは。
先日、用賀の砧公園にある世田谷美術館に行ってきました。
昔から好きな建築でもありますが、やはり癒される空間です。
公園の自然風景に溶けこんだ背の低い建物で、主張しすぎない、まさしく自然と調和した建物です。
ファサードは穴あきタイルをプレキャストコンクリートに打ち込んだデザインとなっており、この穴あきタイルが随所内装にも装飾されています。
個人的に好きだったのが、このタイルを透かして中に照明を仕込んだ使い方です。
装飾の秩序の中に上手く機能性を持たせているなと。
基本的にこちらの美術館は近代建築に比べて大変装飾的です。
ディテールの複雑さや素材の多様さによって複雑な動線の中で切り替わる風景は、歩いていて非常に楽しいです。
特徴的なシンボルの1つに三角形を取り入れた柱が連続したデザインがあります。
モダンさとレトロ感が絶妙で非常に上品です。
これらのデザインは柱だけでなく、屋根も透かされており、自然光のトップライトによる陰影が生まれています。
内観も暗めの空間にハイサイドライトが作り出した陰影は計算され尽くしています。
建築側の装飾は詰め込みすぎず、余白を持たせ、自然の光や風景を装飾としているようなこの建築のバランス感が大好きです。
最後、大量に並んだアートのようなYチェア達も載せておきます。
こちらの美術館はベンチが至る所に設置されており、「滞在する」という行為がとにかく考慮されています。
都会の展示の大胆さやインパクトみたいなものはあまりないですが、来場者に寄り添った癒しの場所です。