
リノベーションの醍醐味と言える造作の設備や家具。
今回の技レポでは、nuリノベーションの多数ある造作キッチンの中でも人気の高い事例を3つご紹介!
その細部に隠れたこだわりや職人技をお届けします。
・リノベーション事例:「ニュアンス×maison」(東京都)
一つ目の事例は、タイル貼りのアイランドキッチンを造作したアサノさん。
空間全体のテーマとしていた『まろみ(丸み)』を表現するべく、角や辺などを徹底的にアールで造り混んだキッチンを造作しました。
△タイルを貼る前の木下地の状態
△タイル貼り中の様子
上の2枚をよく見比べていただくと、タイルを貼る段階で木下地の角が斜めに切り落とされているのがわかりますね。
そこにアールのコーナータイルを貼っていくことで、このコロンとしたフォルムのキッチンが造作されていきます。
通常の四角い木下地にタイルを張るのと比較して、アールに仕上げる場合は角を落としたり、コーナーの納まりに注意しながらタイルの割り付けを検証する必要があります。
まさに職人の「技」が詰まった仕様ですね!
角のないキッチンはカウンター側でリラックスしている時の手触りも滑らか。
タイル特有の硬質な素材感と丸みのある柔らかなフォルムという、良い意味で違和感のある組み合わせが、アサノさん宅の唯一無二の雰囲気をつくり出しています。
・リノベーション事例:「feeling」(東京都練馬区)
2つ目は、壁付けのキッチンを造作した事例です。
落ち着いたトーンの空間の中で、マスタードイエローのキャビネットが目を惹きますね。
キャビネットの戸板には上段にも下段にも手掛けの丸い窪みがついていますが、実はこれはデザインとしての窪み。
上段はプッシュラッチ式の引き出し、下段は片開き戸になっているんです。
手掛けの窪みがなくても機能する仕様ですが、あえて丸い窪みをつけてアクセントをにしているんですね。
また、正面の壁には正方形の白いタイルを張り、最小限の調味料やコーヒーメーカーを置ける飾り棚を設置しています。
ブラケットの金物が見えないように差し込み式の金具を採用するなど細部の納まりにこだわり、無駄のない洗練されたデザインに仕上げました。
・リノベーション事例:「Dear Alvar」(東京都江東区)
最後にご紹介するのは、アルヴァ・アアルト邸にインスパイアされたという深みのある色使いが特徴的なSさん宅。
奥様のご職業が調理師だということもあって、キッチンのデザインと使い勝手には並々ならぬこだわりがありました。
そんなS邸のキッチンはL字型の壁付けで造作。
一見すると深型の引き出しのみで構成されているように見えますが、実は内部にはインナードロワーが隠されています。
スッキリとした見た目を保ちつつ、仕舞うものに応じてぴったりの収納をつくり込むことができるインナードロワー。
キッチンキャビネットの戸板の割り付けは最小限で済むので無駄なグリッドのない納まりを叶えることができます。
そのおかげで、こだわってセレクトした真鍮の手掛けの存在感が際立っていますね!
また、コロンとしたフォルムのレンジフードは計画段階では壁の構造上取り付けられないと判断していた製品でしたが、解体工事後に設置できることがわかり急遽仕様を変更。
レトロで温かいS邸の世界観によりマッチしたデザインとなっていますね。
ということで今回は、デザインや使い勝手に徹底的にこだわってつくり上げた造作キッチンをご紹介させていただきました。
今回取り上げられなかった事例の中にも、ご紹介したい造作キッチンはまだまだたくさんあります!
ぜひまた次の機会にご紹介させていただきますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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