
親子3世代と愛猫2匹のためにつくられた、4LDKの住まい。快適なワーク&ライフと家族の団らんを実現した空間には、住まい手の生き方さえも変えるような可能性に満ちていました。
つくりがいい
ご夫婦で漫画家ユニットを組まれているFさんは、会社員と大学生の息子さん、80代のお母様、2匹のネコちゃんとの5人(+2匹)家族。以前は同じ地域にあるマンションを購入して住んでいましたが、家族全員に個室を確保したかったこと、床暖房の寿命により床の全面張替えが必要になったことから、思い切って住み替えを決断しました。
「新築マンションの価格が高騰しているし、5人分の個室を確保できる物件はほとんど無いので、新築を購入するのは現実的ではありませんでした。リノベなら間取りを自由につくれるし、私たち夫婦の仕事部屋もつくれますから」と、ご夫婦は振り返ります。
実は、今回の住み替えは4回目で、2軒前の家で中古リノベーションの楽しさを経験済みだったFさん。常に物件探しをしてきたことから、もはや物件情報を見ることが趣味になっていたそうです。そんな中、この築23年・駅徒歩2分のタワーマンションを見つけましたが、空き部屋が2つあったため、以前から気になっていたnuリノベーション(以下nu)に内見同行を依頼。どちらの部屋がリノベーションに適しているか判断してもらい、最終的により上層階にある106.26㎡の部屋を購入しました。
「ずっと『またリノベしたい』と思っていたので、3年ほど色んなリノベ会社さんのSNSやホームページを眺めていたんです。日々インスタで事例を見ていると目が肥えてくるのですが、nuさんの投稿は流れてくるたびに『やっぱりいいな』と手を止めていました。一時的な流行ではないおしゃれさがありつつ、ちゃんとつくられている感じで、まさに“つくりがいい”。この『リノベ後の暮らし』の記事も読ませてもらって、最終的にやっぱりnuさんだねって」と、奥様。ご主人も続けます。
「スタッフの皆さんも優秀で、問合せ当初から本当に仕事が早くて。アドバイザーさんは、打合せしながら必要な場所に電話をかけて決めてしまうほど(笑)。解決が早いから不明瞭なことが一切なく、困ったりしたことは一度もありませんでした。乗っかったらあとは自動的に進んでいた、そんな感じでしたね」。
こうして、納得と安心のもと、Fさんの2度目のリノベーションが始まりました。
通い慣れた喫茶店
Fさんが希望したのは、快適なワークスペース、家族それぞれの個室、家族が自然と集まるくつろぎの場、本を図書館のように集約できる空間。そこで、間取りは4LDK+WS(ワークスペース)+WICとして、お母様・長男・次男には個室を、夫婦には2人で使えるWSと寝室を用意。個室はそれぞれ3.5畳とコンパクトにし、団らんスペースを広く確保しました。リビングの一画には本に囲まれた小上りのヌックを造作。壁面収納の下部にはネコ用トイレを忍ばせ、美しく快適な空間を実現しました。
多忙なご夫婦は清掃性と家事ラクを重視し、キッチンにはIHコンロとBOSCHの食洗機を採用。玄関土間には壁面パントリーを造作し、買い物から帰ったらすぐストックをパントリーに仕舞え、流れるようにその先のキッチンにも収納できるようにしました。パントリーは奥行きを浅くすることで視認性を高め、無駄な買い物を減らせるように設計。その隣の壁面には、靴棚も造作しました。「見える収納にしたことで、家族全員が不要な靴を間引くようになりました。当初よりもだいぶ数が減りましたね」と、ご主人は笑います。
優先順位の高かったご夫婦のWSは、お仕事の作業の都合上、モニターに自然光が当たらないよう、寝室とWICと一体の空間の奥に設置。念願の昇降デスクを採用し、カウンターや書類棚も造作しました。また、寝室の窓から作業スペースに光が漏れないように、寝室との境にロールスクリーンを設置。プロジェクターのスクリーンとしても使えるので、ここで映画鑑賞をすることもあるそうです。
デザイン面では、“喫茶店のような空間”を希望したというご夫婦。タワーマンションならではの近代的で華やかな雰囲気とは相反する、温かみがあってどこか懐かしい雰囲気が漂う空間をイメージし、『アナログ』というコンセプトを掲げてつくり上げていきました。
当初はノスタルジックな雰囲気を表現するために木目調の床を予定していましたが、元々集めていた北欧系の家具との相性を考慮し、北欧テイストで温かみを表現する方向性に大きく変更。設計デザイナーの提案で、床にはやさしい水色のタイルを採用しました。「本来は公共施設に使うタイルらしいのですが、北欧っぽくてかわいいなと」と、奥様。キッチンや玄関のベンチには白タイルと水色目地を、洗面台には念願のミナ ペルホネンのタイルを採用しました。
お気に入りのインテリアは、アルテックシリーズ。nuのインテリアスタイリングサービス<decoる>を活用して、思い切って揃えたと言います。ダイニングテーブル、チェア、トロリー、スツール60、照明のGOLDEN BELL(ゴールデンベル)、BEEHIVE(ビーハイブ)……。憧れだったという名作たちが、北欧テイストの空間に見事にマッチしています。
また、ご夫婦のWSの壁と天井は、設計デザイナーの提案でネイビーの塗装に。完工当時は真っ暗な部屋でしたが、家具やアートを入れたら一気に空間が仕上がったと言います。
「爽やかな印象の生活スペースとは雰囲気がガラリと違うから、気分にメリハリが持てるし、落ち着いた気分で作業もはかどります」と、ご夫婦は満足気です。
生き方を変える
入居して1ヶ月。Fさんは、過去最高の暮らしを満喫しているようです。
「圧倒的に仕事がしやすくなりました。朝から夜中まで仕事しているので、ちゃんとしたワークスペースがあるのとないのでは大違い。デザイナーさんが教えてくれた『HAG(ホーグ)』のワークチェアも快適で、長時間座っていても疲れません」と、ご夫婦は話します。
食事のあとはリビングやヌックでゴロゴロしたり、家族でお喋りしたり。それぞれの個室と団らんスペースの両方があることで、プライベート時間と家族時間がバランスよく持てるようになりました。玄関土間や機能的な収納のおかげで散らかる原因がなくなり、今のところモノが散乱することはないそうです。
「洗面脱衣室に洗濯機と除湿機を置き、天井に物干しバーも設置したので、洗う~乾かすが一カ所で完結します。下着用の収納ケースも置いているので、下着もここで仕舞えます」と、洗濯担当のご主人。何をするにも快適で、洗濯しなきゃ、仕事しなきゃ、という億劫さが無くなり、朝起きてから夜寝るまで、全ての行動が楽しいと言います。
幸せを感じる瞬間は、帰宅したときと、ヌックでゴロゴロしながら本を読む時間。息子さんたちも、何となく気になった本を手に取ってパラパラめくっているそうです。
「以前のリノベは25年前でしたが、今回は設備も建材も進化していて、選ぶのが楽しかったです。nuの皆さんが予想もつかない提案をたくさんしてくれるのが楽しくて、あえて詳しいリクエストをしなくなったほど(笑)。こんなに家のことを考えたことはないので、週1回の打合せが楽しくて仕方なかったですね。打合せ内容を毎度資料にまとめてくださるのも助かりました」と、ご主人。
こうして、大成功に終わったFさんの2回目のリノベーション。最後に、一連の体験を通して気づいた大切なことを教えてくれました。
「暮らしの不自由を解消したことで、『我慢して生きなくてもいいんだ』と思えるようになりました。設計打合せ中は、考えたこともないようなことをたくさん考えたので、自分や家族の将来を考えるきっかけになりましたね。その意味でも、リノベは生き方を変えるチャンスだと思います」。
Interview & text 安藤小百合