ブルーグレーと白のコントラストが象徴的な1LDK+WICプラン。余白が残されたシンプルな空間に選りすぐりのインテリアやグリーンが映え、個性のある北欧空間が広がっています。
住まいに“個性”を映し出せる魅力
東京都城東エリア。川が流れる自然豊かな公園を進むと、I夫妻のお宅が見えてきます。約10年前にご主人の転勤を機に、北海道から東京に住処を移したI夫妻。城西エリアで約8年間の賃貸暮らしを経て、「しばらく転勤はなさそうだし、年齢的にも家を買いたいと思っていたので私の方から話を持ちかけました」と奥様。 元々インテリアが好きな奥様は以前からリノベーションに興味があり、雑誌やInstagramで実際にリノベ ーションした方のアカウントを見ていくうちに「やっぱり家を買うなら、空間を自由にカスタムできるリノベが したい!」と自分の気持ちを再確認したのだと言います。それからネットでリサーチしたnuリノベーション(以下nu)を含む2社の個別セミナーに参加。「デザインの自由度の高さや物件探しからワンストップでサポートしてくれる点など、全体を通じて私たちのニーズを網羅していると感じてnuさんに決めました」とご主人。
I夫妻は馴染みのある城西エリアで60平米以上の広さ、そして「駅付近に商店街や雑貨屋などがあったら嬉しい」という条件の元、物件探しを開始。2ヶ月間で10件ほど内見し、今の城東エリアのお住まいを購入します。「城西エリアではないけど、予算内で部屋の広さや周辺環境などの希望条件が一番マッチしていたのがこの物件でした。マンションの管理状態の良さも決め手で、内見時にも管理人さんが共用部を丁寧に清掃してくれていて、ここなら安心!と思えたんです」とI夫妻。周辺には映画館や大型スーパーなどが多く、「自転車に乗れば大半の用事が済むので、便利です。前は近所にお店が少なかったので」と、嬉しそうに話します。
光と風が行き交う北欧空間
「10年以上前から、北欧テイストが好きなんです。雑貨から集めはじめて、かわいらしいビジュアルや独特のあたたかみに魅せられていきました。家づくりにも北欧の雰囲気を取り入れたくて、ブルーグレーのアクセント壁は必須でしたね」と奥様。北欧テイストをうまく取りこみながらも、空間自体はシンプルでラフな箱をイメージ。そして夫婦共通の趣味である植物の育成を存分に楽しむために、「家の中に植物を飾るスペースが欲しい、人も植物も快適に過ごせるよう光や風の抜けを重視したい」と、要望します。そんなお2人に設計デ ザイナーは『THROUGH』というコンセプトを提案し、“光や風の通り道”を空間に落とし込んだような家をイメージしました。こうして完成したのは、ブルーグレーと白壁のコントラストが印象的な1LDKプラン。玄関土間からWIC→ パントリー→キッチンがひと続きになったプランニングで、「荷物を沢山持って帰宅した時に、最短距離でパ ントリーに辿り着けるので本当に便利です」とご主人。利便性だけでなく、土間からLDKまで一直線に風が抜け、通気性も抜群です。「洗面室に扉をつけなかったり、WICの壁を天井まで設けなかったり、“完全に仕切る”をなるべく排除して、全体に光や風が届くようにしてもらいました」と話す。約3JのWICは、魅せる収納を意識してバンカーズボックスを活用したり、定期的に断捨離をしてすっきりとした空間を保てるよう心掛けているのだそう。
シンプルに構成されたLDKの中で一際目を惹くのは、南側の一角に設けた縁側。デザイナーからの提案で下部をコンクリートブロック、上部を黒格子で造作したパーティションで緩やかに仕切りました。「最初は室内 にコンクリートブロックって斬新!と思ったのですが、ラフな雰囲気も欲しかったので採用させてもらいまし た」と奥様。床は水はけの良いPタイルを敷き、室内でも気兼ねなく植物の世話ができるよう設えました。開口部に面した縁側にはたっぷりと陽の光が注ぎ、植物たちの特等席になっています。 ダイニングには以前から目星をつけていたと言う『artek』のダイニングテーブルを配置。ブルーグレーの壁 に、白いボディがよく映えます。リビングの一角には『string』の組立式シェルフでワークスペースをつくり、 動物のオブジェや一輪挿しなど北欧雑貨をディスプレイして楽しんでいるのだとか。「同じ北欧インテリアでもヴィンテージ品と現行品では雰囲気が異なるので、現行品に統一してインテリアを新調したんです。唯一 所有していたヴィンテージ品のチェストは、寝室に大切に飾っています」。
所々に余白が残されたI邸。シンプルに設えられた箱だからこそお2人のフィルターによって選び抜かれたインテリアやグリーンは一層引き立ち、個性のある北欧空間が生み出されているのだと感じました。
陽の当たる場所で、植物を愛でる日々
「リノベーションしてから、お友達が遊びに来る機会が増えました」と嬉しそうな奥様。ご友人もインテリア好きの方が多く、「うちもリノベーションしたい!」「この陶器どこで買ったの!?」と、インテリア中心の話題で盛り上がる事もしばしば。休日は夫婦共通の趣味であるグリーンを調達しに行ったり、「花屋や近所のホーム センターで買ったりもしますよ。大きいものより、育てやすい小ぶりな植物を買うことが多いですね。気づいたらどんどん増えちゃって(笑)嬉しい悩みです」と微笑むご主人。思わず写真に収めたくなるくらいセンスよく彩られた縁側はエアプランツを天井から吊るしたり、大小のボックスを重ねたディスプレイにサボテンを飾ったり、魅せ方に工夫とセンスが溢れ出ています。
眩い光と爽やかな風が行き交うI邸。今日も植物を愛でながら、“お2人らしい暮らし”を一層育んで行くことでしょう。