ALCとは
ALC(エーエルシー、アルク)は内部に気泡が含まれており、重量が軽いという特徴を持つコンクリートで、外壁や床、間仕切りなどのパネルとして使われます。通常のコンクリートと比較して、ALCはおよそ25%の重量しかありません。気泡が空気を含んでいるため、熱が伝わりにくく、夏は外気の熱が室内に伝わることを防ぎ、冬は室内の熱が外に逃げないようにする効果があります。
リノベーションのワンポイントアドバイス
[ALCのリノベーションにおけるメリット]
外壁をALCにリノベーションすることで得られるメリットとして、以下の点を挙げることができます。
・軽いので施工時の負担が少なく、工期短縮が可能で、住宅への負荷も少ない。
・内部の細かな気泡が熱を伝えにくく、断熱性に優れた住宅とすることが可能。
・素材の耐久性が高く、長い年月が経過しても反りなどが起きにくく、安定している。
・おもな原料がセメントのために不燃性であり、高い防火性を有する。
・内部にある多数の気泡が外からの音を吸収し、遮音性が高いという性質がある。
ALCでできたパネルは、工場で高い精度で生産され、様々なデザインのパネルが用意されており、自分の好みに合った意匠のパネルを選ぶことができます。ALC内部の気泡には、湿度を調節する働きもあり、結露を防ぐうえで効果が期待できます。また過度な湿気を抑えることで、ダニやカビの発生を抑える性質も備えています。なお、重量が軽いというALCの特徴は、住宅に及ぼす負担が少ないため、耐震性を高めることにプラスに働きます。
[ALCのリノベーションにおける注意点]
リノベーションで、住宅の外壁や床などにALC使用する際に留意しておきたい注意点を説明します。
・ALC自体は防水性がないため、外壁などに使う場合は、防水性の高い塗装が重要
・長持ちさせるには定期的なメンテナンスが大切
ALCパネルには、水分が沁み込みやすい性質がありますので、防水性のある塗装を行う必要があります。出荷時点で防止加工がなされている製品もありますが、施工の際に仕上げ剤などを塗装し、防水性を持たせておくことが大切です。ALCは何枚ものパネルをつなぎ合わせるため、そのつなぎ目である“シーリング”部分の塗装が傷みやすい傾向があります。シーリング部分にひび割れなどが見られるようになった場合は、早めにメンテナンスとしての塗装を検討しましょう。
まとめ
ALCは住宅用の建材として優れた特徴をいくつも持っている魅力的な建材です。リノベーションでALCの使用を検討される場合は、注意点をよく理解したうえで判断しましょう。ALCが持っている多くのメリットを活かすためには、デメリットをなくすためのメンテナンスが重要です。ALCは正しいメンテナンスを行うことで50年以上使い続けることができます。しっかりメンテナンスを行い、ALCの良さを永く保ちたいものですね。