袖壁とは
袖壁とは、壁に対して直角に張り出した壁のことです。壁に窓や出入口などの開口部がある場合、開口部の左右にある壁をいいます。ちょうど服の左右の端を袖という呼び方に倣っています。キッチンなどの目隠しのための壁や、外壁に防火のために設けられる壁なども袖壁といいます。その他、門の塀として設けられた壁を指す場合もあります。
リノベーションのワンポイントアドバイス
[袖壁のリノベーションにおける考え方]
袖壁には場所によってさまざまな利用方法がありますが、今ある袖壁を撤去する場合と、新たに袖壁を設ける場合のそれぞれについて説明します。
今ある袖壁を撤去する
袖壁があることで暗くなっていたり、閉塞感があったりする場合に、袖壁をすべて、あるいは一部撤去することで、明るく開放感のある空間を手に入れることができます。出入口が袖壁で狭かったり、キッチンのとなりの袖壁が邪魔だったりといった場合には、袖壁の一部を撤去することで不満点を解消することも可能です。
新たに袖壁を設ける
となりの空間との間に仕切りを設けて部屋の独立性を高めたい場合には、袖壁を新たに設けることで要望を実現することができます。キッチンのスペースと他のスペースとを分けたい、冷蔵庫がリビングから見えないようにしたいなどといったときは、袖壁を設けることが有効です。簡易な袖壁を並べて設けることによって、その間にしっかりした棚を作ることもできます。その他に、玄関から室内が見えないよう目隠しのための袖壁を設ける、家の周囲の一角に袖壁として塀を設けるという考え方もあります。
[袖壁のリノベーションにおける注意点]
袖壁を撤去することや新たに設けることは、簡易的な袖壁の場合を除いて、間取りを変更することにあたります。間取りを変更すると照明やコンセントの位置が問題になったり、冷暖房機の能力が不足したりする場合がありますので、注意が必要です。また、採光や通風への影響にも配慮したいものです。なお、袖壁を撤去する場合、建築構造のうえで必要とされる耐力壁は撤去できませんので、撤去したい袖壁が耐力壁に該当していないか専門家に相談する必要があります。
まとめ
暮らしやすい住まいを実現するために袖壁を撤去したり、袖壁を設けたりという考え方について説明しました。袖壁の撤去や新設には注意したい点もありますので、もし実施するのであれば確認しておきましょう。袖壁の変更は大きく間取りを変えるものではありませんが、少しの工夫で部屋のイメージは大きく変わるものです。理想の住まいを実現するうえで、袖壁の変更は有力な方法といえます。