nuスタッフの小西が住まい手として、創り手として。
自宅リノベで気づいたことや、細部がもたらす心地よさを、全10話で綴っていきます。
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第三話では、プランや納まりについてお話ししました。
今回は家づくりをする上で重視した収納についてお届けします。
・我が家は隠す収納に
キッチンや洗面の下部収納。
本当は、器やカゴを並べるオープン棚に憧れていたんです。
ただ、Pintarestで集めた写真を夫に見せてみたけれど、「生活感を出したくないからやめよう」とあっさり却下されてしまって(笑)。
たしかに私も、掃除や片付けが得意ではなくて。
結局「見せる収納」よりも「隠す収納」が我が家にはあっているなと落ち着きました。
もちろん、全てに扉をつけると予算オーバー。
そのためパントリーやSICのように空間そのものがクローズになる場所はオープン棚に。
逆にリビングの印象を左右するキッチンや、廊下に面した洗面など、オープンな場所の収納にはマストで扉をつけることにしました。

せっかく扉をつけるなら、細部までこだわりたい。
ここからは、キッチンと洗面台、それぞれの収納のディテールについてお話しします。
・キッチンは「面落ち」
我が家はW3.8mの壁付造作キッチン。
「隠す収納」を前提に、家具のような佇まいを目指しました。
1 扉の割り付け
基準は60cm幅のボッシュの食洗機。
この幅を出発点に残りを割り振り、全てがなるべく均等に見えるように割り付けました。
2 吊り戸棚はつくらない
身長153cmの私には、平均的な吊り戸棚の高さは手が届きにくい。
結局使わなくなるのが目に見えていたので、収納量は少なくなるけれど思い切ってやめてみました。

代わりに手が届く高さにツールバーを一本。
よく使う調理器具はかけておけるので、不便もなく壁面もスッキリ。
やめてみて正解でした。
3 食洗機の存在を消す
標準仕様では、操作パネルや取手がどうしても目立ってしまう。
そこで「フルドア面材取り付けタイプ」を選び、造作の扉で仕上げることに。

他の扉と全く同じ表情となり、食洗機だと気づかないほど存在感を消すことに成功。
開閉時は少し重く感じるけれど、大人なら問題なし。
むしろ子どもが簡単に開けられないのは今となっては安心材料です。
余談ですが、足元には洗浄の残り時間がわかるタイムライトというものが表示されます。
このライトをちょうどフローリングの幅に合わせて現場で調整していただきました。
細かい部分ですが感動の納まりです。

4 面落ちという納まり
最後の仕上げは「面落ち」。
あえて扉を2cmだけ奥に引っ込ませて、天板や仕切り板のラインを際立たせました。
ほんの数センチ凹凸をつけることで、箱っぽさが消え、家具のような立体感が。
納め方はほんの数センチ(時には数ミリ)で、全体の印象が変わってしまうから面白いのです。
・洗面は「面一」
洗面は、WICを兼ねて廊下に設置。
クローゼットの服で色や量が混み合うのはわかっていたので、洗面台自体は白でシンプルに。

キッチンと仕様をお揃いにするという手もあったけれど、廊下のような狭い空間なので、スッキリを優先。
ここでは扉と側板を揃える「面一」の納まりを採用したことで、箱のような静かな印象になりました。
天板の厚みや手かけの寸法、台輪の高さはキッチンと同じですが、印象はかなり違います。
キッチンでは「2cm引っ込める」。
洗面では「揃えて面一にする」。
たった数センチの違いなのにまるで別の表情。
ほんの小さな寸法の操作が鍵となり、空間の印象を変えます。
・収納と暮らしの関係性
こだわりを詰め込んだ空間に、余計なものを溢れさせない。
それができるかどうかは、やっぱり収納にかかっています。
服や靴が多かった私は、実際にプランを考えながら断捨離も決行。
半分以上を手放しました。
収納計画に苦戦しながらも持ち物に向き合うことで、収納デザインが映えるスッキリとした暮らしに近づけた気がします。
もちろん、子どものおもちゃや郵便物などで散らかっている日もあるけれど (笑)
それも含めて「今の暮らしの表情」だと、今は思えます。
次回は塗装の話。
キッチンの壁では、少し思い切った選択をしました。
その理由や、暮らしてみて感じていることをお話しします。