玄関リノベーションで手に入れる、おしゃれなエントランス空間。
帰宅時や来客時など、家を訪れる人が一番はじめに必ず足を踏み入れる「玄関」。
居住スペースではありませんが、空間の印象を左右するため家づくりでもしっかりとこだわりたいポイントですね。
今回は、そんな玄関まわりをおしゃれな空間にリノベーション(リノベ)されたお宅の事例をご紹介しながら、人気素材やおすすめの土間活用アイデアなどをご紹介していきます!
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
著者の詳しいプロフィールはこちら
<この記事のトピックス>
・玄関の間取りアイデア3選
・玄関リノベーション(リノベ)の人気素材は?
・マンションの玄関リノベーション(リノベ)の注意点
・玄関リノベーション(リノベ)の費用
・玄関リノベーション(リノベ)、土間活用事例をご紹介!
玄関の間取りアイデア3選
それでは早速、玄関をリノベーション(リノベ)する際におすすめの間取りアイデアを3つご紹介していきます。
玄関に仕舞うものの量や家族構成などによってもご自身に合った玄関のあり方は様々ですので、一番使い勝手のいいアイデアはどれなのか、実際の暮らしをイメージしながらみていきましょう!
IDEA.1 収納力たっぷりの横長玄関
玄関扉を開けると、間口の広い土間打ちの玄関が広がっている光景…。玄関のリノベーション(リノベ)といったら、このイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
この玄関リノベーション(リノベ)のアイデアは、アウトドア用品やスーツケースなど、玄関周りに収納したいものが多いという方におすすめ。わざわざ土のついたアイテムを室内に運び入れることなく片付けることができるので、準備や片付けが手軽に行えます。
こだわりの自転車をお持ちで日常的にカスタムしたりお手入れをしたりする方など、共用の駐輪スペースに自転車を置けない場合にも重宝しそうですね。
IDEA.2 SIC(シューズインクローゼット)付きでスッキリ片付く玄関
あまり見せる収納が得意ではないという方におすすめなのが、SIC付きの玄関。
来客時に死角となる場所に収納棚をレイアウトすれば、収納自体はオープンでも雑然とした雰囲気を感じさせません。
また、通勤バッグやコートなどの普段使いのアイテムもまとめて収納しておくこともできるため、身支度の最後の仕上げがこのスペースで完結できるのも嬉しいポイント。
IDEA.3 活用法は無限大!“〇〇スペース”を兼ねた広々玄関
最後にご紹介する玄関リノベーション(リノベ)のアイデアは、玄関にワークスペースなどの機能を併用させるという方法。
リモートワークが浸透したことで「家の中にワークスペースを設けたい」という方が増加する中、日常の寛ぐスペースとは少し雰囲気を変えて、仕事モードに気持ちを切り替えられる場所として、玄関付近にワークスペースを設けるという方も増えてきています。
ワークスペース以外にも、趣味を楽しむ空間にしたりベンチを造作してまるで公園のような家族の憩いの場にしたりと、アイデア次第でエントランス空間の使い方は無限大です!
玄関リノベーション(リノベ)の人気素材は?
玄関のリノベーション(リノベ)を検討する際、床の仕上げに使用する素材は、靴を履いて使用することを前提に選定する必要があります。では、耐水性や防汚性に優れていて、尚且つおしゃれな玄関空間を演出してくれる素材とは、具体的にどういった種類のものがあるのでしょうか。
ここからは、nuリノベーション(以下、nu)でも施工実績の多い、人気素材を厳選して3つご紹介させていただきます。それぞれの素材のメリット・デメリットや、素材選定の際に注意するべきポイントなども徹底解説していきますので、参考にしてみてくださいね。
◯モルタル
nuで玄関のリノベーション(リノベ)をされる方で、一番採用するケースの多い素材がモルタルです。
モルタルとは、セメントと砂・水を混ぜた左官素材で、ひんやりとした無機質な質感が、不動の人気も頷けるおしゃれな玄関を演出してくれます。土汚れが目立ちにくく、掃き掃除などがしやすいのも嬉しいポイントですね。
一方、デメリットとしては以下2つのポイントが挙げられます。
1つ目は、クラック(ひび)が入りやすいということ。先述したように、モルタルには「水」の成分が入っています。時間の経過とともにモルタルに含まれる水分が蒸発していくため、ひびが入ってしまうのです。また、地震などで家が揺れ動いた際にも、土間の一部がバリバリっと砕けてしまうケースも。段差や角と接する面などは特にひびが入りやすい箇所となります。
デメリットとしてご紹介をしましたが、モルタルならではのクラックはデザインの一部として楽しむという考え方も。無垢材と同じく、経年変化で表情が変わっていく素材感はリノベーション(リノベ)の醍醐味ですね!
2つ目のデメリットは、遮音性の確保が難しいということ。
マンションでは、下階に音が響かないよう配慮して床の素材を設定したり、施工をしたりする必要があります。モルタルは素材自体に遮音効果がなく、硬質な素材のため、音を直接的に周囲に反響させてしまいます。
ひび割れが発生してしまうことなどからも、二重床を組んだ上にモルタルを施工することも難しいため、土間を広く取って作業スペースやフリースペースとする場合は、遮音が取れない仕様だということを念頭に、空間の使い方を検討する必要があります。
◯モールテックス
2つ目にご紹介する素材はモールテックス。モルタルと響きが似ていますが、モールテックスにはモルタルの成分に加え、特殊な樹脂剤を混ぜているため、ひび割れしにくいという特徴があります。
また、その柔軟性のおかげで1〜3mmほどの薄塗りで施工しても十分な強度を保つことができるため、床だけでなく、洗面台やキッチン造作の際にカウンターの仕上げ材としても使用できる汎用性の高さも魅力です。
カラーバリエーションも豊富で、グレーの濃淡が選べるだけでなく、ピンクやグリーンなどカラフルな品番もあるため、デザインの幅が大きく広がりますね。
デメリットとしては、施工金額の高さがあげられます。塗料自体のコストに加え、施工に手間がかかることから工費が高くなる傾向にあるため、大きな範囲をモールテックス仕上げとする際は注意が必要です。
◯タイル
3つ目の素材はタイル。一般的な分譲マンションや戸建のエントランスでもよく見かけるタイル仕上げの玄関も、根強い人気があります。大判のタイルを貼り込んだ重厚感のあるエントランスから、モザイクタイルで仕上げた個性的なエントランスまで。タイルのデザイン次第で玄関の印象を大きく変えることができるのが魅力的ですね。
ここで、タイルを選ぶ際に気をつけたいのが表面の質感です。
ツルツルしたものだと泥汚れなどの掃除は楽でも雨の日に滑りやすかったり、逆に凹凸のある質感のものだと汚れが入り込んでしまって掃除に手間がかかったり…。そのためエントランスの床タイルを選ぶ際は、担当デザイナーやショールームの担当者に玄関の床として適しているタイルかどうかを確認しながら、慎重に選定するのがベター。
マンションの玄関リノベーション(リノベ)の注意点
マンションで玄関のリノベーション(リノベ)を検討する際、必ず注意するべきポイントが2つあります。ここを押さえずに計画を進めてしまうと、思っていた通りの空間にできなかったり、工事後に思わぬトラブルにつながってしまう危険性も…。1つずつ、しっかりと確認していきましょう!
チェックポイント1:音について
マンションは生活リズムの異なる住人同士が1つの建物で暮らす共同住宅ですので、ルールを守って暮らしていく必要があります。中でもトラブルの要因になりやすいのが騒音問題で、特に上階の足音や夜間の生活音に起因して起こる問題が多いのが事実です。
そのため、玄関スペースを広く取って土間打ちのワークスペースなどをつくる場合には、大きな物音が発生してしまう作業を行なったり、夜間に頻繁に動き回ったりすることはおすすめできません。
また、一部のマンションでは居住スペースの床をモルタルに変更することを禁止しているケースもありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
<音を気にせず使いたい場合は、仕様変更も検討してみましょう!>
前章でお伝えしたようにモルタルはひび割れしてしまうため、「二重床を組んで遮音をとる」という方法は選択できませんが、質感やイメージが近い素材で代用することで理想のイメージに近いおしゃれな土間空間を、音に配慮しながら創り上げていくことも可能です。
近年人気が高まっているのが、先ほどもご紹介した「モールテックス」。薄塗りが可能で柔軟性もあるため、二重床の上に施工することが可能です。
もう少しコストを抑えたい場合は、フレキシブルボードやモルタル調の塩ビタイルで仕上げるという方法も!
イメージと使用方法、コスト感を踏まえ、ベストな方法を検討してみてくださいね。
チェックポイント2:工事ができる箇所と、できない箇所がある
2つ目のチェックポイントは、リノベーション(リノベ)できる箇所とできない箇所について。
フルリノベーション(リノベ)を行う際にバルコニーや窓、オートロック連動のインターフォンなど、マンションの中でも「共有部」と定められている箇所には自己判断で改修工事が行えないというのは、ご存知の方も多いかと思います。
では、玄関まわりにも「共有部」と定められている箇所があるのはご存知でしょうか?
それは玄関のドアです。既存の玄関ドアのデザインがリノベーション(リノベ)空間に合わないからといって、勝手にドアを付け替えることはできませんので注意が必要です。
厳密にいうと玄関ドアの内側は専有部扱いとなりますので、内側の面に関しては仕様変更を行うことは可能ですが、既存の扉が塗装仕上げなのかシート貼り仕上げなのか等によっても仕様変更の方法や可否が変わってきます。玄関扉の色を変えたい場合はご自宅がどういった仕様なのか、色の変更が可能なのかなど、担当スタッフに相談してみてくださいね。
玄関リノベーション(リノベ)の費用
ここからは、玄関のリノベーション(リノベ)にかかる費用について解説いたします。
まず大まかに、玄関をリノベーション(リノベ)する際に想定される工事内容と見積もり項目をご紹介します。仕様によって変動する可能性がありますが、代表的な項目は下記の通りとなります。
・解体工事(既存玄関の仕上げ材の解体、撤去)
・木工事(下足棚やSICを造作する費用)
・左官工事(モルタルやモールテックス、タイルなどの材料費と施工費)
・塗装/内装工事(壁面を塗装もしくはクロスで仕上げる費用)
・諸経費(工事中に不可欠な養生費や職人の交通費など)
それでは、実際にエントランスのみのリノベーション(リノベ)を行った事例をご紹介しながら、工事内容と費用感を解説していきます。
・リノベーション事例:SIMPLE×無機(神奈川県川崎市)
玄関扉を開けて左手側にあった個室一つを解体し、8.86Jの土間兼アトリエスペースをつくったK邸。
今後お子様の荷物が増えることも考えて余白スペースを多く取ったモルタル仕上げの土間に、下足箱は壁面にミニマムな可動棚を設えました。
玄関の正面となる位置にはブラックのアクセントウォールと、床から梁下までの高さの造作棚を設置。
書棚はデザイン関連の書籍を収納するため、強度や安全性を確保できるようリノベーション(リノベ)工事で設え、お二人が並んで作業をするためのワークデスクは入居後にDIYで設置したといいます。
タイルの馬ばりのように、互い違いの位置に支柱をデザインした棚は重いデザイン書などを並べてもたわむことなく、収納力も抜群。
ワークスペースとして使用することを想定していたため、照度を十分に確保できる照明計画や配線にもこだわって計画を進めていきました。
こちらのリノベーション(リノベ)工事費は310万円。
書棚の家具造作工事に加え、配線の引き直しや躯体面に照明を意匠的に設えるための照明計画がコストボリュームの大きな項目となりました。
また、モルタル左官工事は施工面積の広さによって施工金額が異なるだけでなく、ご自宅の所在階によって荷揚げ費用が変動するなど、物件の状況によっても費用感が変わってきます。
上記は玄関のリノベーション(リノベ)を単体で行った事例となりますが、フルリノベーション(リノベ)に伴って玄関をリノベーション(リノベ)する場合などは、「解体工事」「左官工事」などは他のお部屋の費用と併せて計上され、コストを抑えて工事を行えるケースもあります。
そのため、玄関リノベーション(リノベ)の費用感を検討する際は自己判断をせず、ご自身のイメージしているリノベーション(リノベ)の全体の規模や、玄関の広さ、仕様や素材の希望を伝え、プロの目線から費用感を検証してもらうことをおすすめします。
玄関リノベーション(リノベ)、土間活用事例をご紹介!
それではここからは、nuの施工事例の中でも特にユニークでおしゃれな玄関スペースの事例を3つご紹介します。家の顔としての玄関を最大限に活用するアイデアが満載です!
・リノベーション事例:「scheme」(東京都世田谷区)
家事導線を意識して創り上げたO邸の玄関は、あらゆる方向から土間収納やSIC、リビングや洗面スペースにアクセスできる回遊的な間取りが特徴的。
自転車が置かれている土間の先はスチールラックを置いた土間収納で、アウトドア用品や釣具を収納しています。オープンな収納ですが、アーチ開口などで視線の流れにワンクッション置くことで煩雑な印象を与えません。
土間収納の先はパントリーを抜けてLDKへとつながっていきます。廊下とは別の導線を設けたことで、生活シーンによって導線を使い分けることができるのはO邸ならでは。
リビングにいながらも土間の窓から入り込む自然光が覗き、なんとも言えない解放感を演出しています。
・リノベーション事例:「VINTAGE×SOZAI」(東京都調布市)
S邸の玄関ドアを開けると広がるのは、小上がりの和室が一部張り出した縦長の土間空間。
黒枠の内窓や木天井など、リノベーション(リノベ)ならではのデザインが目に飛び込んでくる、アートギャラリーのようなおしゃれなエントランスです。
LDKとひと繋がりにレイアウトした玄関。シューズボックスやアートで彩られた下足収納はインテリアのように空間に馴染んでいます。
壁の仕上げに採用したのは有孔ボード。穴にフックを取り付けることで自由な位置に吊り下げ収納が可能です。帽子やスノーボード、靴までもが飾るように収納されています。
・リノベーション事例:「Dear Alvar」(東京都江東区)
赤褐色の7.5cm角タイルで床を仕上げたS邸。玄関だけでなく、廊下・脱衣室・LDK・キッチンの壁までも全て同じタイルを張り込んで仕上げたというこだわりの素材です。
玄関の先には、ブラックの人工大理石天板とサペリ材を組み合わせて造作した洗面台がお目見え。美しい赤褐色の色味が、統一感のある世界観を演出しています。
オープンな可動棚には家族の靴を並べて収納。中でも目を引くのが、ご主人が趣味で集めているというコンバースのスニーカーで、温かな色味で統一された空間に彩りを加えています。
最後に
住み手の個性が現れる玄関のリノベーション(リノベ)。家づくりの中では優先順位が低くなってしまいがちな空間ですが、改めて玄関空間に目を向けてみることでより豊かな暮らしを実現するヒントが見つかるかもしれません!今回ご紹介した事例以外にも、nuの施工事例には様々な玄関リノベーション(リノベ)のアイデアが詰まっていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
よくあるご質問
Q1. マンションでも玄関のリノベーション(リノベ)はできますか?
A.
もちろん可能です!
ただし、集合住宅であるマンションには、使用できる床材に制限があるというマンションも存在します。デザインを全て決めてから「規約に則っていないから工事を許可してもらえなかった」ということにならないよう、事前にそういったルールがあるかどうか確認しておくようにしましょう。
Q2. 玄関のリノベーション(リノベ)で気をつけるポイントは?
A.
玄関の間取りを検討する際には、何を仕舞いたいのか、玄関以外の機能を持たせる必要があるのかなど、ご自身のライフスタイルに合わせて広さや仕様を検討していきましょう。また、玄関扉など部分的な改修しかできない箇所もありますので、どの範囲まで仕様変更ができるのか、担当者に確認しておきましょう。
Q3. 玄関のリノベーション(リノベ)に適した素材は?
A.
玄関のリノベーション(リノベ)で床材として使用される素材は「モルタル」「モールテックス」「タイル」が代表的。そのほかの素材を検討する場合も、デザインだけでなく耐水・防汚性に優れた素材であるか、雨天時などに転倒の恐れがないかなどに配慮して素材を選定しましょう。