リノベーションの間取りはどう考える?3つの考え方を実例で解説
リノベーションの間取りは、「誰とどこで過ごしたいか」「毎日の暮らしで何を重視したいか」「将来の変化にどう備えるか」の3つの視点から考えることが大切です。
どんなにデザインや素材・設備にこだわった空間でも、間取りが暮らしに合っていなければ、心地よく過ごすことはできません。
また、マンションでは構造や管理規約、配管などの条件によって、変更できない箇所もあります。
今回は、理想の暮らしを叶える間取りの考え方を実例とともに紹介し、間取り変更で知っておきたい注意点も解説します。
INDEX
暮らしは間取りで変わる
間取りは、その後の空間づくりの土台になる重要な部分。
nuリノベーション(以下、nu)でも、初回プレゼンテーション後の実施設計では、複数のラフプランをもとに、暮らしに合った間取りをブラッシュアップしていきます。

もちろん、計画を進める中で間取りを変更することもありますが、間取りは家の骨格である分、小さな変更でもさまざまな箇所に影響することがあります。
また、「なんとなく」で部屋数や動線を決定してしまうと、暮らし始めてから大きな違和感に繋がることも。
間取りは、その家での暮らし方や空気感をつくるものだからこそ、時間をかけ、具体的にイメージしながら丁寧に検討していくことが大切です。
・リノベーション事例:「空映」(神奈川県平塚市)
窓からたっぷりの自然光が差し込む、開放的なLDKをつくり上げたAさん。
斜めの壁ラインなど、特徴的な間取り構成の中でも、ガラス引き戸で仕切られた洗面スペースがLDKと緩やかにつながっているのが、奥様のこだわりです。

その根底にあったのは、「自然光のもとで身支度がしたい」という思い。
一方、ユニットバスへつながる通路はクランクさせ、プライベートな脱衣スペースを奥まった場所に配置しました。
「家ではパッと明るい気分になりたい」というAさんの価値観が現れた間取り構成。自分がどこで、どんな時間を過ごしたいかから考えることで生まれた間取りです。
・リノベーション事例:「ニュアンス×プレーン」(東京都江東区)

やわらかな曲線で家全体が構成されているS邸。
「四角い家は私にとっては合理的すぎるというか。アールは無駄な空間を生むけど、私はその無駄を楽しみたいし、どこから見てもときめく空間にしたかった」と、奥様。

アールの垂れ壁でリビングとつながる寝室や、トイレへつづく浮島のような飛び石など。
家の隅々に、日常がワクワクと楽しくなるようなユニークなアイデアが散りばめられています。
効率だけを追い求めるのではなく、住まいの中でどんな気持ちで過ごしたいかも、間取りを考える大切な手がかりになります。
暮らしに合った間取りをつくる、3つの考え方
暮らしに合った間取りを、真っ白な状態から自分たちだけでつくり出す必要はありません。
具体的なプランニングは、設計デザイナーに委ねてOK。
大切なのは、あなた自身が住まい手の目線で、暮らしの中で大切にしたいことを伝えることです。
以下の3つの視点から、ご自身の暮らしを整理してみましょう。
1 | だれと、どこで過ごす時間を大切にしたいか
ライフスタイルや家族構成によっても、家の中で大切にしたい時間はそれぞれです。
「夫婦の夕食の時間を大切にしたい」
「質のいい睡眠がとれる寝室をつくりたい」
「子供がのびのびと遊べるリビングにしたい」
まずはこれからの暮らしで大切にしたい時間をイメージし、間取りにしっかりとその思いを織り込んでいくことが重要です。
・リノベーション事例:「Uzukuri」(東京都新宿区)
間取りを検討する際、家の中での過ごし方を設計デザイナーから細かくヒアリングされたことで、「本質に立ち返れた」と振り返るYさん。
そうして生まれたのは、LDKと隣接する寝室をガラス戸で繋げた、開放的な空間です。
さらに、浴室をコンパクトにすることで、身支度動線の回遊性を確保。朝に限らず、身支度や家事の快適性がぐっと引き上がったと話します。
世間一般のセオリーではなく、『自分だったら』を具体的にイメージして、実際の過ごし方から逆算していったことが、Yさんらしい間取りを形づくっています。
2. 暮らしのリズムの中で、どこが重要なのか
朝の身支度、在宅ワーク、趣味の時間、就寝前のひととき。
家での暮らしには、さまざまな時間が流れています。
その中でご自身が一番大切にしている時間はどこなのかを考えることも、間取りを考える上で重要なポイントです。
・リノベーション事例:「Atmosphere Design」(東京都世田谷区)

気持ちよく仕事ができるワークスペースと、壁一面の本棚を住まいの中心に据えたT邸。
「キッチンでコーヒーを淹れて、そのままワークスペースで仕事して。振り向けば本棚があるから、必要な資料もすぐ手に取れて最高に便利」と、Tさん。
仕事は、家の片隅でするものではなく、Tさんの暮らしの中心にあるもの。だからこそ、一般的なLDKのあり方にとらわれず、仕事をする時間から逆算して、住まい全体の間取りを組み立てました。
リノベーションを通して、「自分はどういうクリエイターでいたいのか」「何を大切にしたいのか」を改めて考えたというTさん。一日の中で大切にしたい時間を見つめ直すことは、自分らしさと向き合うことにもつながります。
3. 将来の変化にどう備えるか
LDKの広さ、個室の数、段差の有無など、今は心地よい間取りでも、将来の変化によっては暮らしに合わなくなっていくこともあります。
とはいえ、将来起こり得るすべての変化を予測して間取りを決める必要はありません。
変化したときに使い方を変えられる余白を残しておくこと。
一つの空間を複数の用途に使えるようにしたり、将来的に仕切れるようにしたりすることで、暮らしの変化にも柔軟に対応しやすくなります。
・リノベーション事例:「TANSEI-端正-」(埼玉県川越市)

広々とした玄関土間とキッチンを繋ぐ場所に、フリースペースを設けたO邸。
今は本を読んだりギターを弾いたりと自由に過ごす空間とし、暮らしが変わったら部屋をひとつ増やすことができる余白を残しました。
家に求めることは、人それぞれです。
だからこそ、間取りに正解はありません。
一般的なセオリーにとらわれず、ご自身にとって一番心地よい暮らしは何かを基点に考えることが、後悔しない間取りをつくる上で何より大切です。
間取り変更で知っておきたい注意点
リノベーションでは自由に間取りを変更できるイメージがありますが、マンションの構造や規約によっては、変更できない部分もあります。
ここでは、予め知っておきたい代表的なポイントをご紹介します。
1. 間取り変更「できる場所・できない場所」
マンションは一般的に、「共用部」「専有部」の2つに区分されます。
リノベーションができるのは、基本的に専有部のみ。共用部は、個人の判断で勝手に改修することはできません。
<主な共用部>
・マンション躯体(構造強度にかかわる骨組み部分)
・窓サッシ、窓ガラス
・ベランダ、バルコニー、専用庭
・玄関ドア
・PS(パイプスペース)
ですが、改修できないからと言って妥協することだけが解決策ではありません。
動かせないPSや柱を物件の個性と捉え、デザインへ昇華する方法もあります。
→動かせない柱をデザインに | 柱・PSを生かしたリノベーション4選
2. 確認しておきたい管理規約
マンションリノベーションでは、そのマンションの管理規約に則って工事を行う必要があります。
管理規約とはつまりマンションのルールブック。一般的には「専有部の修繕等」という項目があり、リフォーム・リノベーションを行う際の条件が記載されています。
例えば、物件によっては床材に制限があったり、水回り設備の移設に制限が設けられていたりする場合があります。
希望する間取りが実現できるかどうかを判断するためにも、物件購入前や設計の早い段階で管理規約を確認しておくことが大切です。
3. 水回りの間取り変更
キッチン・洗面所・浴室などの水回りは、建物の構造や配管の条件によって、希望する場所へ移設できない可能性があります。
特に確認したいのが、床下や天井裏に、給排水管や換気ダクトを通すためのスペースがあるかどうかです。
〇直床・直天井
マンションの躯体面に、フローリングや壁紙が直接施工されている構造です。
床下や天井裏のスペースが少ないため、水回りの大きなレイアウト変更が難しいケースも。
△直床構造の例
〇二重床・二重天井
マンションの躯体面と、仕上げとなる床・天井の間に空間が設けられている構造。
この空間を使って給排水管や換気ダクトなどを取り回すことができるため、水回りを好きな場所に移動しやすいのが特徴です。
△二重床構造の例
このように、部屋の造りによって水回りの移動のしやすさが変わってきます。
無理に水回りを移動してしまうと排水管の勾配が十分に取れず、水漏れや詰まりの原因になってしまうことも。そのため、「大きく水回りを動かしたい」と考えている場合は、物件探しの段階から担当アドバイザーにしっかり要望を共有し、物件選びをしていただくのがおすすめです。
間取りは、暮らしの骨格をつくる
間取りは、部屋数や広さを決めるだけのものではありません。
どこを通り、どこで立ち止まり、どこで家族と顔を合わせるのか。
誰かと過ごす時間と一人で過ごす時間を、どうつなぐのか。
そうした日々の動きや距離感を形づくる、暮らしの骨格のようなものです。
通路の幅、扉の開き方、視線の抜け方や、余白。
一見すると細かな寸法や配置の中にこそ、心地よさの分岐点があります。
流行の間取りを取り入れるのではなく、自分たちが家でどんな時間を過ごしたいのかという視点で空間の骨格を整えること。
それこそが、自分たちの暮らしに合った、本当に心地よい住まいづくりにつながっていきます。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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よくあるご質問
Q1. リノベーションでは、間取りを自由に変更できますか?
A.
専有部分であれば間取りを大きく変更できるケースもありますが、すべてを自由に変えられるわけではありません。マンションの構造や管理規約、PS(パイプスペース)の位置、配管・排気経路などによって制限を受けることがあります。希望する間取りがある場合は、物件購入前の段階からリノベーション会社に相談すると安心です。
Q2. 自分に合った間取りは、どうやって考えればいいですか?
A.
まずは、家でどんな時間を大切にしたいかを整理してみることから始めましょう。「夫婦で夕食を楽しみたい」「朝の身支度をスムーズにしたい」「仕事に集中できる場所がほしい」など、具体的な過ごし方から逆算することで、自分に合った間取りが見つけやすくなります。
Q3. 将来の家族構成まで考えて間取りを決めるべきですか?
A.
将来の変化をすべて予測して間取りを決める必要はありません。今の暮らしを大切にしながら、将来的に仕切れるスペースを設けたり、用途を限定しない場所をつくったりと、使い方を変えられる余白を残しておく方法もあります。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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